今後、端末メーカーは欧州向け端末について、「Google検索」と「クロームブラウザ」をプリインストールせずに出荷することが可能になる。しかし、これには注意点がある。
アンドロイドOS自体は無料でオープンソースのままだが、Google検索とクロームブラウザをプリインストールしなかったメーカーは、欧州で販売する端末を「Googleプレイストア」や、その中に登録されている数百万ものアプリにアクセスするために、グーグルに対してライセンス料を支払う必要があるのだ。
先週、フランスのスマホメーカー「Wiko」は、グーグルの新しいライセンス契約を初めて採用したミッドレンジ端末「View 2 Pro Qwant」をリリースした。この端末には、欧州生まれの検索エンジン「Qwant」のプライバシーを重視したブラウザと、検索エンジンがプリインストールされている。
「我々はView2 Pro Qwantをフランスとドイツ、イタリアで販売する予定だ。今後もQwantを採用するかは、今回のテスト結果を見て決めたい」とWikoのCOO、Julien Heangは話す。
Qwantの特徴は、検索エンジンがユーザーをトラッキングしないなど、プライバシーを重視することだ。
「我々は、Qwantを使って検索しているユーザーについて知りたいと思わない。また、検索結果の横に広告を表示するのに、ユーザーの属性や閲覧履歴を知る必要もない」とQwant のCEO、Eric Leandriは語った。
View 2 Pro Qwantの画面サイズは6インチで、オクタコアの「Qualcomm Snapdragon 450」やデュアルカメラ、「Android 8.0 Oreo」を搭載している。メモリは4 GBでストレージは64 GB。microSDカードにも対応している。価格は200ドルで、安い割には高性能な端末だ。
View 2 Pro Qwantには、Google検索とクロームブラウザがプリインストールされていないが、GoogleプレイストアやGoogleマップ、Gmailを含む他の「Googleモバイルサービス(GMS)」を利用することができる。
また、View2 Pro Qwantはグーグルから「MADA(Mobile Application Distribution Agreement)」の認証を受けているため、グーグルによる定期的なセキュリティアップデートを受けることが可能だ。
筆者が得た情報によると、Wikoはグーグルにライセンス料として1端末当たり5ドル、もしくは端末価格の2.5%を支払っているという。