その前年の2016年の同四半期に、アップルの売上シェアは世界で48.5%だった。一方で、サムスンもファーウェイも売上を伸ばしている点は興味深い。世界のスマホ市場は一部の大手メーカーらの寡占に進みつつあることも伺える。
Strategy Analyticsが“その他”に分類するアジアやインド、欧州の小規模メーカーはシェアを低下させており、同四半期の売上シェアは2016年の30.5%から、2017年は26.2%に減少していた。
グローバル規模で見てスマートフォンの売上は伸びているが、出荷台数は減少傾向にある。
「世界のスマートフォン売上は年間8%のペースで伸び、2017年のQ4には過去最大の1200億ドル(約13兆円)に達した。また、スマートフォンの平均単価は2016年のQ4には255ドルだったが、2017年のQ4には300ドルになり、18%もの上昇となった。出荷台数が減少している一方で、端末の高価格化が進んでいる」とStrategy Analyticsのアナリストは述べた。
高価格化がトレンドとなる中で、アップルがこの分野のトップに立っていることは明らかだ。しかし、ここには別のストーリーもある。
モバイル広告は2021年には2000億ドルを超える市場に成長すると見られている。この売上はコンテンツのパブリッシャーたちを潤し、アプリ内の課金額も大きく成長することになる。さらに、モバイルのEコマースも売上を伸ばし、モバイルの決済額も巨大な規模になる。
調査企業「eMarketer」は、世界のモバイルコマースの売上が2018年に1.8兆ドル(約191兆円)に達すると予測している。ここから見えてくるのは、スマホ自体よりも、モバイル経由で生まれる売上がいかに巨大なものになるかという事実だ。
アップルはもちろんこの現実を認識している。また、グーグルやアマゾン、フェイスブックといった企業らも、今後、巨大な成長が見込めるモバイルコマースでのシェア獲得を狙い、激しい競争を繰り広げている。