料理することや接客することが業務のメインであるため、新しいテクノロジーを理解する時間が確保できないこと、それによってサービスを提供するテクノロジーと飲食店の間に情報格差が生じてしまい、飲食店は集客サービスによって利益を搾取されてしまっている構造になってしまっていることがその背景にある。
こうした課題に対して、飲食店・ユーザー共に費用が一切発生しない完全無料の飲食店向け集客サービス「ビスポ!」を提供するのが、高岳史典が代表を務めるBespoだ。高岳自身、飲食店を経営しており、そこでリアルに感じている課題感をもとにビジネスモデルを構築したという。
「ビスポ!」は飲食店の『集客』とユーザーの『店探し』を解決するサービス。従来の飲食店検索サービスとは異なり、LINE公式アカウント(@bespo)上でユーザーが利用希望の時間・人数・予算・料理ジャンル・エリアをリクエストし、条件と合致した予約希望日時に空席を持っている飲食店とユーザーをマッチングする。
これによって、ユーザーは検索では見つけることができない自分好みの飲食店を発見することができ、飲食店は、空席時の集客を効率的にすることが可能になる。
飲食店の空き席とユーザーをマッチングするプラットフォーム
サービスのテスト期間は送客した顧客1人に対して300円が課金される従量課金モデルのスキームだったが、2019年2月以降より、予約有無にかかわらず、費用が一斉発生しない完全無料サービスとなった。
「このビジネスモデルであれば、どう計算しても既存のサービスと比べて費用を抑えることができます。月額課金でもなく、空席にマッチングさせるのでプラスアルファの集客になり、お店にとっても、私たちにとってもWinWinだと思っていました。
でも、サービスに課金する必要があるという話をした瞬間、それがどんなに他サービスと比べて有利な条件であったとしても飲食店は躊躇してしまうんです。様々な集客サービスが乱立し、お店は課金することに疲れています。今まで様々な課金サービスに契約していて、ビスポと新しく契約したらまた課金されてしまう、売上から搾取されてしまうのではないかと考えてしまい、サインしていただけないんです。自分も飲食店経営をしているので、その気持はよく分かります」(高岳)