そこで課金によるビジネスモデルを止め、まずはサービスを使ってもらって広げていく決断をしたと高岳は語る。もともと、テクノロジーによって飲食業界、特に飲食店側をより豊かにし、その先のお客様にも喜んでもらうために立ち上げた会社であり、その決断は自然な流れだった。
サービスの無償化以降、反響は非常によいそうだが、やはり気になるのが今後の収益モデルだ。まずは2020年には参加店舗数1万店舗、ユーザー数100万人という、圧倒的なサービス規模を目指していくという。これはLINEのビジネスモデルと近く、大きなプラットフォームになればなるほど、マネタイズのチャンスは自然と生まれてくる見込みだ。
例えば、飲食店とのプロモーションを実施することで広告料金による収益を狙うことができる。他にも、飲食店と組んで特別なコンテンツを企画し、サブスクリプションモデルとしてユーザー課金によるマネタイズもあり得る。
そしてもう一つ、高岳が狙うのはインバウンドのユーザーによる収益化だ。チャットで予約できるというサービス自体、テキストを多言語に合せるだけで海外からのインバウンドのユーザーに対応することができる。その際の事前決済による手数料で収益化することも可能だ。
「『ビスポ!』はプラットフォーム型のサービスです。まずはより多くのユーザーさんと飲食店さんに利用していただく必要があります。そういう意味ではフラットに、まずお客様とお店様の双方にメリットがあって、そのためのつなぎ役、核になるサービスを展開していきたいと考えています」(高岳)
2019年3月には実名グルメサービス「Retty」と提携し、「ビスポ!」の店舗情報と「Retty」におけるクチコミの連携を開始した。多くのユーザーから寄せられた「候補店舗から予約する店を選ぶ際に実際に店舗に足を運んだ方のクチコミを参考にしたい」との声を受けてだという。こうした提携をはじめ、空き席マッチングの精度の向上をはじめとした、ユーザーがより使いやすいサービス拡張も今後進めていくそうだ。