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母乳、粉ミルク、キューブタイプか。母乳以外ではお湯に溶かす工程が必須だった乳幼児向けミルクに、液体ミルクの選択肢が加わった。今春から紙パックや缶に入ったミルクが国内発売となる。

特筆すべきは何と言っても利便性。調乳する手間がなく、そのまま赤ちゃんに飲ませることができる液体ミルクを使ってみたいと思う子育て世代は多いのではないだろうか。

液体ミルクを発売開始した江崎グリコによれば、粉ミルクと液体ミルクの販売量をみると、欧州では液体ミルクが3割を上回り、フィンランドでは液体ミルクの使用量が圧倒的に多いという。

 
海外では液体ミルクの利便性が理解されており、一定のシェアをもつ。赤ちゃんが生まれる新生活で液体ミルクはどのように使われているのだろうか。

スイスや英国では、スーパーやドラッグストアで購入可能

スイスや英国で子育てをする知人にヒアリングしたところ、欧州のスーパーやドラッグストアでは液体ミルクが棚に並んでいるのが一般的とのこと。価格帯はミネラルウォーターや清涼飲料水と同等ということで、複数のネットスーパーで取り扱いがあることの確認も取れた。

大人が飲み物を買うのと同じように、赤ちゃんの飲み物を入手できる状況は日本とは大きく異なる。家でつくることもできるけど、あえて外でコーヒーを買うのと同じように必要に応じて液体ミルクを買い求めることができるのだ。

現在は販売停止となっているようだが、スイスではカプセルに入ったミルクをコーヒーマシンのような機械に入れて調乳するベイビーネスという商品が人気だそうだ。



ドイツでは出産病院で液体ミルクを使用

ドイツで出産した友人は、「ドイツでは出産病院では液体ミルクのみが用意されており、液体ミルクを温めて新生児に与えていた」と話す。

出産直後に液体ミルクを使う体験をすることにより、液体ミルクの利便性が広く知れ渡っているようだ。粉ミルクの方が安価であることを理由に粉ミルクを選択する人が多いが、液体ミルクは一定のシェアがあり、多くのスーパーで取扱があるとのこと。

海外では日本で一般的な粉末状の他に、濃縮液体タイプなど様々な乳児用ミルクの選択肢がある。ミルクの素材についても牛由来の他にヤギ由来のミルク、有機、遺伝子組み換えでない原材料を使ったものなど選択肢は多い。

欧州では幅広い選択肢から、乳幼児や生活スタイルに合ったものを選択することが一般的になっていると言える。

液体ミルクは何と言っても利便性が高い。毎日数回の調乳時間が短縮できれば、その分時間的な余裕やいくばくかの精神衛生を手にすることができるだろう。特に外出時には重宝しそうだ。

日本では出産後入院期間や産後健診時に大手ミルクメーカー栄養指導員と対話の機会が設定されることが多い。栄養指導の名目のもとに液体ミルクを知り、帰路に寄ったスーパーで液体ミルクを買う、そんな時代は遠くないかもしれない。

文=森屋千絵 

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