AI通信「こんなとこにも人工知能」

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中国EC大手JD.com傘下の物流企業、京東物流が、中国国内で5Gを採用した物流団地を建設する意向を明かしている。“5G団地”内では、人工知能(AI)やIoT、および各スマート物流技術が応用され、自動分類・自動検査システムなどが導入される予定。最終的に、5G時代の新たなスマート物流現場を実現していくのが目標とされている。

5G団地では、顔認識技術や位置認識機能を搭載した自律走行車、無人配送車、ロボット、また巡回用ドローンの稼働も見据えられているとの情報もある。

設置場所は、上海の嘉定区。年内にはシステム構築が終了し、本格的に稼働開始となる。加えてJD.comは、北京にもロボットを利用したスマート配送や物流供給網を視覚化するモニタリングシステムなど、5Gに関連したアプリケーションを配置する予定だと明かしている。関係者は過去に次のような話をしていた。

「EC企業であるJD.comでは、ユーザーに新たな購入体験を提供することを目標として掲げているが、一方ですべてのユーザーが物流網の恩恵を受けられるようにするということもまたミッションとしている。そのためには、あらゆるテクノロジーを動員していく。まだ正式には発表していないが、中国各地を繋げる『物流トンネル構想』もある」

この物流トンネル構想とは、物流のためだけに地下鉄のトンネルのような配送ルート(パイプのような地下移動経路)を設ける構想だ。各物流拠点から商品をカプセルのような移動体に入れると、その通路を通じて中国各地の配送拠点に商品が自動で出荷されていく。取材中にイメージ図を見せてもらったが、まさにSFのような物流網構想だった。

なお今年1月末の段階において、JD.comはインドネシアで政府の認可を受け、配送用ドローンのテストも行っている。インドネシアでは「JD.ID」という現地法人を構え、2016年から営業を開始している同社だが、加入者は2000万人をすでに超えたという。7つの島に10の物流拠点を構えており、483の都市、約6500の行政区域にすでに物流網を構築している。

日本ではアマゾンや楽天などが有名だが、アジアを中心にしたEC、また物流企業としてはJD.comの存在が日に日に大きくなっている。個人的には、テクノロジーへの注力という文脈ではアマゾンよりも強いインパクトを残す施策を次々と打ち出しているという印象だ。そのJD.comで最も注力しているテクノロジーは人工知能だという(前出の関係者)。

今後、どんな新たな実用例が出てくるか。いち企業レベルとしては注目していくべき存在となるはずだ。

連載 : AI通信「こんなとこにも人工知能」
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文=河 鐘基

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