マネジメントにも失敗がつきものです。
日々、小さなことから大きなことまで裁量権を持って決定する場面が多い経営者や起業家の皆さんは、失敗したと感じた経験を少なからずお持ちではないでしょうか。
経営学者であり社会学者であるピーター・ドラッカーも著書「マネジメント」で次のように言っています。
「間違いや失敗をしたことのない者だけは信用してはならない。そのような者は、無難なこと、安全なこと、つまらないことにしか手をつけない。人は優れているほど多くの間違いをおかす。優れているほど新しいことを行うからである。」
つまり、失敗は成功する上で重要なファクターに違いありません。
「失敗」というテーマに向き合う理由
私が「失敗」というテーマで執筆しようと考えたのは、私が失敗してもへこたれない特別に強い性格だからではありません。また、失敗したから今の成功があるといった成功体験を語るためでもありません。
むしろ、人一倍、失敗から逃げたくなりますし、失敗して落ち込むこともしばしばあるような性格です。
ではなぜこのテーマと向き合うのか。私が結果として人よりも多くの失敗を経験し、傷つきながらも多くの学びを得ることで自分自身の成長につながり、多くの協力者も得て、結果的にはチャンスをたくさんいただくことが出来たからです。
これは私にだけ言えることではありません。実は、成功している起業家は致命的な失敗をし、そこから復活してその後成功しているケースが非常に多いのです。
しかし、日本は世界的に見ても挑戦する人が少ないようです。
2014年に実施された起業家精神に関する調査(GEM)では、「革新主導型経済カテゴリー」では日本が対象24カ国中最下位でした。日本の18~64歳のうち、起業しているのはわずか3.8%と、24カ国平均(8%)を大きく下回っているという結果も出ています。
これは、日本では一度倒産すると社会的な信用を失うことが大きな理由としてあげられます。そしてもう一つ、失敗したときにどうやって立ち直っていったのか?何故這い上がることが出来たのか?を具体的に見たり聞いたりする機会が少ないからではないでしょうか。
世界はグローバル化しており、勝つためには挑戦と失敗を繰り返すことが必須になってきます。
だからこそ、人生で幾度となく失敗や修羅場を経験し、そこから這い上がってきた私も、どのような失敗をして、どのようなことを学び、チャンスを掴んでいったのかを皆さんにお伝えしたいと思い、このコラムを書こうと思い立ったのです。