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2019.03.19

ブルガリブランドの総帥が語る、発展の青写真とコアバリュー

ブルガリCEOのジャン-クリストフ・ババン (Photo by Nicholas Hunt/Getty Images for BVLGARI)

「ブルガリアウローラアワード2018」のために来日したブルガリ・グループCEOのジャン-クリストフ・ババン。日本でアワードを開催する理由と、多角化する事業の展望を聞いた。


昨年12月12日、ブルガリジャパンの主催で、いま最も輝く女性たちとその取り組みを讃えるためのイベントとして開催された「ブルガリアウローラアワード2018」。3年目となる今回は、女優の杏や建築家の妹島和世ら10組20人の受賞者と推薦者がゴールデンカーペットを歩いた。

授賞式のために来日したジャン-クリストフ・ババンは、アワードの意義を次のように話す。

「ローマ発祥のハイジュエラーとして始まったブルガリにとって、受賞者のような知性あふれる女性たちこそはインスピレーションの源であり、またともに世の中をより美しく輝かせるためのパートナーであると考えます。またアワードを日本で開催するのは、日本が我々にとっては事業面においても、また先述したようにインスピレーションの面においても特別な国であるからです」

1884年にローマで創業して以来、ブルガリはイタリアならではの「ドルチェ・ヴィータ」──生活美学を身上とする独自の世界観のもとに、香水、時計、ブライダル、レストランなどライフスタイル全般をカバーする9つのカテゴリーをもつに至っている。

「カテゴリーが増え、扱う製品やサービスが増えても、哲学は変わりません。憧れの対象でありながらも手が届く、イタリアンクオリティのブランドというアイデンティティを大切に、これからも新たなチャレンジを厭いません」
 
実際の製品に目を向けてみると、例えば新しいジュエリーコレクションの「フィオレヴァー」は、ローマで愛されてきた4枚の花びらをモチーフにもつ。また日本限定で桜色をまとって登場する時計の「ルチェア」も、ラテン語で光を意味するルチェアがインスピレーションの源となっている。

「我々はローマの文化を伝えるアンバサダーとして、これからも日本の皆さんに愛されるブランドを目指していきたいと思います」


ジャン-クリストフ・ババン◎1959年、フランス生まれ。HECでMBA取得後、フランス海軍に入隊。兵役後、プロクター・アンド・ギャンブル、ボストンコンサルティンググループ、ヘンケル、タグ・ホイヤーなどでの要職を経て、ブルガリ・グループをさらなる躍進へと導いている。

文=大野重和 写真=川口賢典

この記事は 「Forbes JAPAN ニッポンが誇る小さな大企業」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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