PagerDutyは他のシリコンバレーの大手と並んで、今年中にIPOを実施する計画だ。PagerDutyはエンタープライズ向けソフトウェア企業としてはかなり稀な、女性CEOのJennifer Tejadaが率いる企業としても注目を集めている。
PagerDutyは2018年9月のT. Rowe Price Associatesとウエリントン・マネージメントらが主導した資金調達ラウンドで9000万ドルを調達し、その際の評価額は13億ドル(約1440億円)とされていた。
2009年創業でサンフランシスコ本拠の同社のサービスは、世界90カ国の1万800名の顧客に利用されており、その中にはペイパルも居る。ネットワークに異常を検知した際に、エンジニアたちにリアルタイムでアラートを送信するPagerDutyのサービスは、スラックやGitHubと並んで成長企業に欠かせないツールとみなされている。
ただし、PagerDutyの収益性に関しては懸念も浮かんでいる。同社の2018年の冒頭から9ヶ月間の売上は、前年比48%増の8400万ドルだったが、同期間の損失は3450万ドル。損失額は2017年の470万ドルから、大きく膨らんでいた。PagerDutyは通年のデータを開示していない。
PagerDutyの株式の半数以上を大手のベンチャーキャピタルが保有している。最大の株主は、初期出資元のアンドリーセン・ホロウィッツで18.4%を保有。それに次いで多いのが、Accelとベッセマー・ベンチャーパートナーズとなっている。
また、共同創業者のBaskar PuvanathasanとAndrew Miklas、Alex Solomonらがそれぞれ7.1%を保有している。
同社はTejadaがCEOに就任した翌年に、フォーブスのクラウド100で急浮上した。「当時はまだまだ小さな企業だったが、ブランドを確立しつつあった」と彼女は2016年の取材で述べていた。TejadaはPagerDutyの株式の400万株を保有している。