I’m a social worker turned financial planner

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社会保障給付金の受給開始年齢を80歳にすべき、と言うとばかげていると思われるだろう。しかし、社会保障の歴史や、米国の現在の退職年齢が62歳であることにより生まれている社会的スティグマ(不名誉)を理解すれば、それほどばかげたものではない。

米国で社会保障制度が制定されたのは1935年のことだ。その当時の平均寿命はわずか61.8歳で、社会保障の恩恵を受ける年齢になるまで生きている人はほんの一握りだった。

社会保障給付金の受給開始年齢は、次のような医療的見地と政府の調査を基に制定されたものだ。

・統計学者のフレデリック・ホフマンは生産的な年齢は15~65歳だと主張し、それ以外は非生産的とした。

・米社会保障運動の先駆者であるアイザック・ルビノーは、病気や(能力)低下が始まる65歳以降を高齢者と見なすべきだと述べた。

・米連邦政府は最高裁判所で、鉄道労働者は「人生の最後の時間を心安らかに、体をいたわりながら楽しむ」べきだと主張し、「身体能力や精神的鋭さ、協調性が65歳以降低下する傾向にあることは当たり前の事実だ」と述べた。(出典:Certified Professional Retirement Coach Coursebook and Curriculum)

しかしここでは、当時の平均的な労働時間が週55時間だっただけでなく、現代の大半の仕事と比べて身体的な負担がはるかに大きかったことを忘れてはならない。

この社会保障プログラムは、歳を重ね能力が低下した人を職場から追い出し、人生最後の数年をベランダの揺りいすに腰掛けて人道的に過ごさせるため設計されたものだった。現代の定年退職が描き出すロマンチックな老後の暮らしとは異なるものだが、この厳しい真実こそプログラムが確立された理由だ。

現在のシステムでは、62~65歳の人はいまだに能力が劣ると認識されている。これが年齢差別の基盤となり、50歳以上の人が仕事を見つけづらい主な理由の一つにもなっている。実際、2014年の米政府労働者調査では、50歳以上の人は30~49歳の人に比べて失業状態が5.8週間長く継続することが示された。これを20~29歳と比べると、その差は10.6週間だ。

翻訳・編集=出田静

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