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フォーブス ジャパンは本日3月8日の国際女性デーを皮切りに、<世界のセルフメイド・ウーマン100人に聞く「あなたの『わくわく』は何ですか?」>企画を開始します。

セルフメイド・ウーマンとは「自力で道を切り拓いた女性たち」のことです。なぜ彼女たちの「わくわく」に着目したのか、そしてビジョナリーな女性リーダーたちをもっと増やすにはどうすればよいのか。ヒントは、シリコンバレーで女性起業家のアクセラレーターを運営する堀江愛利氏の言葉にありました。3回にわたる連載でお届けします。


私はカリフォルニアの大学を卒業し、シリコンバレーのハイテク企業でマーケターとしてキャリアを積んだあと、結婚して子どもを持ちました。最先端のテクノロジーに囲まれて働いてきた私は、子育てが始まった時に愕然としました。

同じシリコンバレーでも、子育ての現場はすべてがマニュアルで、アナログでした。のちに母が病気になったときも、あまりのローテクぶりに驚きました。病院へ行くと、先生同士のコミュニケーションや情報の共有など、テクノロジーで解決できる問題が山積していたのです。

それらの体験から、私は「ビジネスパーソンは、自分たちが仕事をしているフィールドしか見ていない。20~60歳の、主に男性を対象とした、ビジネスの現場にしかテクノロジーは入ってきていない」と気づきました。誰がこの現状に苦しんでいて、誰がそれを打破しようと思っているかというと、やはり女性です。

しかし別の原稿で詳しく述べますが、昨年シリコンバレーのベンチャーへの投資総額850億ドル(約9兆円)のうち、女性創業者が受け取った金額はわずか19億ドル(約2000億円)とわずか2.2%程度、起業家の資金調達に重要な役割を果たすベンチャーキャピタリストは92%が男性、女性はわずか8%と、女性が起業する体制は整っていません。

そこで私は、2014年から、女性のテックスタートアップに特化したアクセラレーターを始めました。Women’s Startup Lab(以下WSLab)です。多様性のマインドを持つことは、さらに複雑になる世界の困難な課題に立ち向かうために、ますます必要となってきます。

WSLabが目指すのは、人の可能性を解放することにより、新しいレベルのイノベーションとテクノロジーを実現することです。このメソドロジーを私たちは「ヒト(人)ロジー」と呼び、年2回、シリコンバレーで女性起業家対象のプログラムを提供しています。

私たちが用意した豪華な邸宅に、選ばれた12人が集まり、生活をともにします。合宿型にしたのは、女性の特性を生かすためです。女性はコミュニティを作ったり、お互いに意見と交換したり相談することがとてもうまく、利点となっています。それによってマーケットを掴んだり、自信を持ったりすることができます。ネットワーク形成という意味でも、合宿が有効なのです。

私たちは「女性が伸びる環境とはどういうものか」ということを含めて、プログラムをデザインしています。「女性はどういうところで自信をもつのだろう」「どこでビジネスの着想を得るのだろう」といったところにも注目しています。

一昨年からは、日本の女性たちの要望に応えて、このメソッドを援用して、起業家に限らない女性ビジョナリー・リーダーを育成する「リーダーシップ・プログラム」をはじめました。そこでまず私たちが提案しているのは、自らの底にある問題意識に気づいてもらうことです。

大抵のエリート女性たちは「自分は何がしたいか分かっている。私は、これがしたい」と言います。しかし、周りから受け入れ易そうな言葉を選んでいる人もいるし、受けがいいから言っている人もいます。「なぜそれがあなたにとって重要なの?」と聞くと答えられない人がほとんどです。「ビジョナリー」になるためには、もっと奥深いところに行かなくてはなりません。

例えば、身近でも、遠い存在でも自分が尊敬する「リーダー」と呼ばれる人を思い浮かべてみてください。なぜ、その人は信頼されているのですか? 論理的だからでしょうか? 優しいからでしょうか? 

違うと思います。他人から見てその人の「リーダーシップの軸」があるからです。その人が持っている人柄、自然に持っている個性を日ごろから保っていて、「あの人だったら」と腹おちしているのです。揺るがない「芯」があるのです。「その人らしさ」を私のクラスでは「Being」と呼んでいますが、日本人が思い浮かべる「自然にあるがまま」とは少しニュアンスが異なるので、私はそれを日本語では「わくわく」と呼んでいます。

構成=岩坪文子 イラストレーション=Kyle Hilton

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