この金額は昨年1月の19億ドルから37%の上昇であり、Pitchbookが2008年に集計を開始して以来、1月としては最大の資金調達額となった(今回の記録に次いで大きかったのは、2015年の1月で、調達額は21億6000万ドルだった)。
今年1月に最大の資金調達を実施したヘルスケア関連企業は、バイオテック系企業のハブである「BridgeBio」で、2億9900万ドルをKKRやViking Global Investorsらから調達していた。パロアルト本拠の同社は、腫瘍や特殊な遺伝病向けの治療薬の開発を行っている。BridgeBioは関連企業にリソースへのアクセスを開放し、共同で薬品開発を行っている。
一方で先月はDNA解析のスタートアップ「10x Genomics」が、3500万ドルを調達し、企業価値が12億8000万ドルとされた事も注目を集めた。
さらに、医療デバイス企業のAblative Solutionsも1月に7700万ドルを調達した。ミシガン州カラマズー本拠の同社の評価額は調達前の段階で、1億3200万ドルとされていた。同社は高血圧を治療するカテーテル器具を開発中で、現在は臨床試験を行っている。
また、ボストン本拠のヘルスケア関連のシステム企業Pear Therapeuticsも、シリーズCラウンドで6400万ドルを調達し、調達前の評価額は5億ドル近くとされていた。
しかし、これほどの巨額の資金調達が相次ぐ状況は、そう長くは続かないと専門家は見ている。昨年11月に開催されたフォーブスのヘルスケアサミットに登壇したモルガン・スタンレーのCheri Moweryや、メリルリンチのThomas Sheehanらは、2019年のヘルスケア領域のスタートアップの調達額は減少傾向に向かうと述べていた。