ビジネス

2019.02.05

自由奔放だったセレブタレントが、ファンと社会に約束した覚悟 「ファッションを通して、当たり前を変えたい」

マリエ




2018年にPulse of the Fashion Industryが公開したレポートでは、ファッション企業の75%が1年の間に環境と社会貢献に対する活動を向上させているという。大量生産で洋服を生産し続ける姿勢は消費者にも受け入れられなくなっている。

実際、マリエも洋服を生産するにあたって繊維の調達先にこだわっている。「その会社が社会貢献しているのか、それとも糸だけ売り飛ばしたいだけで大量生産しているのか、は見極めるようにしています。デビューして間もないですけど、そこだけは一貫して大事にしていて」と彼女は語る。

既存のルールに縛られず、今の当たり前を変えていく

今後、マリエは「今の当たり前を変えていく」をキーワードに掲げ、さまざまなことに取り組んでいく。そのひとつとして、彼女がまず手掛けるのが「売り方」の変革だ。

マリエ曰く、展示会を開いて卸先を集め、その人たちに売る仕組みは時代の流れに合っていないという。

「今の時代、インスタグラムでモデルが『展示会に行ってきました』と投稿して、消費者は新作商品の情報を手に入れている。だから新作を出すタイミングがズレていて。インスタで商品を知ってから、6カ月後くらいに届く。であれば、そもそも展示会の存在自体を見直した方がいいんじゃないか、と思っています。必ず展示会をしなければいけない法律はないので」(マリエ)

また、今後は動画に触れることで情報を届けるインタラクティブ動画サービス「TIG(ティグ)」を活用し、自分たちの思いをファンに直接伝えていく予定だという。

「一人ひとりの消費者に向かってアプローチできるのが、Makuakeの強みだからこそ、このブランドにはぴったりの仕組みで。こうした伝えるテクノロジーを使って、環境問題や意識の高い表現として製品を制作をしていく。そこが私たちのブランドのチャーミングポイントになると思います」(マリエ)

そんなマリエの活動に、坊垣も期待を寄せる。

「マリエさんの場合は、ファッションという領域で、ファンともすでに繋がっている。
そして心からファッションを愛し、よりよい世界を作るために、その領域で自身が何をできるかを考え、体現していこうとされている。Makuakeを通して彼女の作った商品を、ファン、そしてその先のより広く存在する潜在顧客に届けることは、彼女のその想いや彼女の描く未来を伝えていくことでもあり、それは私たちの願いでもあります」(坊垣)



これまで、PASCAL MARIE DESMARAIS、THE LEFT OVERはPR活動がインスタグラム中心だったため、マリエのファンが顧客層の多くを占めていた。しかし、Makuakeを利用することで、この活動をより多くの人に届けていこうとしている。

また、1月30日から伊勢丹新宿本店のMakuake展示スペースでラグマットも展示されている。

「日本の生地会社が、余った素材を私たちに送る動きをもっと広げていきたい。そうすれば、世界の人から「日本ではあんなことが当たり前になっているんだよ、すごくない?」と言われるようになる。そんな世界を目指していきたいですね」(マリエ)

タレントからデザイナーへ。異色の転身を遂げた、マリエの新たなものづくりへの取り組みはまだ始まったばかりだ。

文=新國翔大 写真=小田駿一

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