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ドナルド・トランプ大統領(Photo by Win McNamee/Getty Images)

ドナルド・トランプ米大統領は頻繁にツイッターに投稿する。特定の企業についてコメントすることも多い。これを受け、米国ではこれまでに何人かの研究者らが、株価に対するトランプの発言の影響力について調査を行っている。

大統領が特定の企業名を挙げて何らかの意見などを述べることは、特に珍しいことではない。ケネディ大統領は大手USスチールをはじめとする鉄鋼各社が値上げを行ったとき、同業界についてコメント。トルーマン大統領も鉄道会社に対して、同様に発言したことがある。

だが、トランプの発言の回数は、歴代大統領たちの比ではない。さらに、自動車や防衛、テクノロジーなど、より幅広い業界の多数の企業についてツイートしている。

常に何かを発信

トランプは就任前から、さまざまな企業についてツイッターに投稿してきた。例えば、雇用を拡大したとして小売大手のウォルマートや自動車メーカーのフォード、フィアット、ゼネラルモーターズなどを称賛。一方、ステルス戦闘機「F-35」の価格が高すぎるとして、ロッキード・マーティンを批判したこともある。

また、空調大手キャリアがインディアナ州の工場を閉鎖し、従業員を解雇すると発表したときには、それに関する意見を交換した。企業に関するトランプのコメントには、前向きなものも、否定的なものもある。

影響は限定的

トランプのつぶやきは、その他のメディアによる報道と似たところがあると考えられる。ある日の発信はその一日の取引に影響を与えるかもしれないが、それは長期的なものにはならない。否定的な内容の発言が言及された企業のその日の株価を値下がりさせたとしても、翌週にはほぼそれ以前の水準に戻っている。

ノースイースタン大学のジェフリー・ブラウン教授(金融学)らは、大統領選での勝利から就任までのトランプ投稿について、調査を実施。その結果、この間にトランプが言及した10社の株価は発言の内容に関わらず、投稿のあった日には変動していたことが分かった。ただし、3~5日後にはほぼ元に戻っていた。

スキッドモアカレッジのケビン・ジー助教(経済学)が就任前のツイートに関して行った調査でも、同様の結果が示されている。つまり、トランプのコメントはごく短期的な変化をもたらすにすぎず、その影響力は一時的なものにとどまるということだ。

また、イリノイ大学スプリングフィールド校のアハマド・ジュマー准教授(会計学)らは、経済や税制改革、特定の企業(58社)など、さまざまな事柄に関してトランプが投稿した内容と株の値動きについて調べた。その結果もやはり、その他の調査と同様のものだった。

今後もトランプがいずれかの企業についてツイートすれば、その株価はその日、変動するかもしれない。だが、過去の例からみれば、それが長期にわたって大きな影響を及ぼすことはないと考えられる。

編集=木内涼子

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