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2019.01.15

僕が世界で勝負しようと思った「インドでの衝撃」|AnyMind Group十河宏輔

AnyMind Group 十河宏輔

2016年4月にシンガポールで設立された広告テクノロジー会社・AdAsia Holdings(現AnyMind Group)。同社は、設立後まもなくしてタイやインドネシア、そして日本にまで続々と拠点を広げている注目株のベンチャー企業。

今回は、そんなグローバル若手起業家の雄、同社CEOの十河宏輔氏に急成長のポイントなどをドリームインキュベータの小縣が聞いた。(全6話)※本記事は2017年9月に掲載したインタビュー記事に加筆・修正を加えております。


世界で勝負するきっかけとなったインドでの衝撃

──改めて、これまでの経歴を簡単にお聞かせください。

2012年、国内アドテクノロジー大手のマイクロアドに新卒で入社した後、東南アジア6カ国の拠点の立ち上げを担いました。AdAsia Holdings(現AnyMind Group)を設立したのは2016年4月ですね。

──なぜ、最初にマイクロアドに入社されたんでしょうか?

実は就活生時代、11、2社から内定をいただいていました。

その中から会社を選ぶ基準として、「絶対に海外事業をやりたい」というものがありました。なぜかというと、学生時代のインド旅行で印象深い経験をしたからです。

当時、私は19、20歳くらいだったんですが、インドでは10歳くらいの幼い子どもたちが精力的に商品を売り込んでくるんです。それを見た時、「この商売っ気、ハンパねえ!こんなアグレッシブな連中がたくさんいるなんて、インドって凄いな」と衝撃を受けたんですよ。

ですから「インドでいつか商売をしてみたい」という気持ちが、漠然とありました。

その頃、マイクロアドは「グーグルのような会社を作る」という目標を掲げており、日本で先駆けてグーグルのアドセンスモデル、いわゆるアドネットワークモデルを手がけていた会社だったので、面白いなと思っていたんです。

で、内定者の集まりで社長と会食をした際、「インドでの事業をやりたい」と吐露したところ「やればいいじゃん」とお話をいただいたので、入社を決めました。

 

──そこから、どのようなきっかけでアジアのビジネスに携わるようになったのでしょうか?

入社後しばらくしてからは、営業成績のトップを取りMVPプレイヤーの取得も増えました。

そうなった時に、本当はもっともっとやりたいのに、だんだん「こなしている感」が強くなってきたんです。1番になったら、その上ってないじゃないですか。

そんな時、ありがたいことに他社からオファーをいただくことがありました。そこで「新しい世界でチャレンジしたい」と社長に話を切り出したら、「『海外事業をやりたい』って入社の時に言ってたよね」と、ベトナム法人立ち上げの仕事を任されたんですよ。

そのきっかけがなければ、起業自体はしていたとしても、今のようなアジア中心のビジネス形態ではなかったかもしれません。

──過去の経験が、今の事業につながっているんですね。

多種多様な国の人とビジネス上でコミュニケーションをたくさんとってきたので、ロシアでビジネスをやろうがアメリカでビジネスをやろうが、自分の中でハードルが全く無いんですよね。

どこの国で事業を立ち上げようがバリアがない、というのはグローバルな事業をやる上では強いです。今振り返っても、起業するまでの様々な経験のおかげでそのような状態になれたと思うので、とても感謝しています。

連載 : 起業家たちの「頭の中」
過去記事はこちら>>

文=小縣拓馬 提供元=Venture Navi powered by ドリームインキュベータ

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