損失額は総額355億円。これを受けて、GMOは自社でのマイニングマシンの開発・製造・販売を取りやめるという(他社製品での仮想通貨運用は継続する)。
今回のGMOの発表を、関係者はどう見ているのか。マイニング事業を手がける経営者(名前は非公開)に、話を聞いた。
チップ1枚の開発に10億円 中国製に値段負けか
──改めて、今回の発表をどう受け止めましたか。
やはり、仮想通貨市場の下落による影響が大きかったのでしょうね。
GMOは、2017年12月にマイニング事業に参入しました。今回損益を出したのは、①他社マイニング専用機器を購入してのマイニング事業(減額損失など約115億円)と、②自社でのマイニングマシンの開発・製造・販売事業(債権譲渡損など約240億円)の2つです。
①のマイニング事業については、GMOがマイニングに参入したのは仮想通貨が最も高騰した時期で、マイニング専用機材や運用場所・電力の確保が、非常に困難でした。当時は、専用機材を販売するメーカーが、実質的に中国のBitmain社くらいしかなかったんです。
その後、機材のスペックがほとんど変わらないのにプレイヤーは増加、相場は下落していきました。GMOが予想していた以上にマイニングの難易度が上がったため、当初想定していたような収益性が上がらなかったのでしょう。