ウェルビーイング実践者たちが語る「持たざる生き方」

2018年11月29日、30日に渋谷TRUNK HOTELで行われたイベント「MASHING UP」。その中で、予防医学研究者の石川善樹、オーガニックヴィーガンスキンケア「MAJO MEDICINE」の内間らうざ(ローザ)、元電通の廣田周作が交わした「Well-beingの立ち位置、グローバル的にはどうなの?』トークセッションが開催された。

最近よく耳にする「ウェルビーイング」。自己実現のために身体的、精神的、社会的に良い状態であることを意味する言葉だ。今回のセッションでは、3人がそれぞれのウェルビーイングに対する意識を語った。

廣田:ぼくは最近独立して、イギリスの会社で世界中のブランドの上流部分や、世界中のイノベーション記録などをリサーチしています。その中で、欧米社会では「ウェルネス」や「ウェルビーイング」は、非常に重要な概念として考えられています。

石川善樹さんは医学部を卒業し、予防医学者として現在では様々な企業とウェルネスの取り組みや、プロジェクトへの参画をしていらっしゃるということで、今日はよろしくお願いします。

石川:よろしくお願いします。

内間:わたしは最近まで、Googleのマーケティングチームにいて、現在は「MAJO MEDICINE(マジョメディスン)」というオーガニックヴィーガンスキンケアを作っています。これまで様々な企業で働いてきた中で、人生のアップダウンが激しかったためウェルビーイングに興味を持ち始めました。なので、ウェルビーイングのエキスパートではなく、もっと追求していきたいと思っている側です。

廣田:よろしくお願いします。ローザさんは独立して、新しい分野で挑戦しているところなんですね。


オーガニックヴィーガンスキンケア「MAJO MEDICINE」の内間らうざ(ローザ)

内間:はい。「なぜテック業界からスキンケアへ?」と言われることもあるんですが、わたしの中ではそんなに業界が変わった感覚はないです。モノやソフトウェア、アプリやAIは全部、人に良い体験をもたらすじゃないですか。「人にグッドフィーリングを与える」ということがわたしの目的ですし、それはテック業界でもスキンケアでも変わらないものです。

私は、美しさとエイジングの概念を変えたいと考えています。女性には「アンチエイジング」というカルチャーがありますが、「アンチ」とは何かに「反する」という意味。つまり、エイジングをしてはいけないカルチャーなんです。

私は、「アンチエイジング」という言葉を聞くと、「なんか違うな」と思う。やっぱり、精神と体がきれいな人って何歳になってもきれいだし、輝いているし、エイジングしてもいいと思っているので。

だから、わたしたちMAJO MEDICINEの哲学は「プロ・エイジング・ウェル」。「アンチ」の反対で、「エイジングしてもいい、美しくエイジングしよう」という意味です。肌の美しさは体の内側や考え方からくるものなので、「プロ・エイジング・ウェル」を広めていろいろやっていきたいと考えています。

石川:「プロ・エイジング・ウェル」って、すごくいい言葉ですよね。

内間:「プロ・エイジング」だけじゃなくて、「プロ・エイジング・ウェル」。「ウェル」をつけることによって、「単に歳をとるだけじゃなくて、よりよく生きよう」という意味があります。
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文=須崎千春

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