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ドクター本荘の「垣根を超える力」

fizkes / Shutterstock.com

この数年、世界的には、企業文化や会社と社員のエンゲージメント、社員の幸福度がますます注目されています。

5年以上前になりますが、ハーバードビジネスレビューの2012年1・2月号では、「The Value of Happiness - How employee well-being drives profits」という特集(日本版 同年5月号)で、「成功することで、幸せになれる」という考えは誤解で「幸福を感じるようなことを続けることが個人の成功へとつながる」とレポート。海外では、スタートアップを中心に、企業文化づくりに投資する企業が増えています。

こうした取り組みの火付け役が、米国のベンチャー企業ザッポスです。ザッポスは1999年に米国サンフランシスコで創業し、2009年にアマゾンが12億ドル(約1300億円)で買収した、靴のオンラインショップです。

急成長した業績も素晴らしいのですが、フォーチュン誌の「働きたい会社トップ10」に入るなど、徹底した企業文化へのフォーカスは、米国のビジネススクールの教材になるなど、経営の世界にセンセーションを巻き起こしました。

ザッポスのCEOであるトニー・シェイの著書「Delivering Happiness」(2010年、邦訳「ザッポス伝説」)は、これまで20の言語で出版され、80万部以上売り上げています。また、同書のプロジェクト・マネジャーを務め、そこから生まれた新会社デリバリング・ハピネスのCEO兼CHO(Chief Happiness Officer)となったジェン・リム氏は、世界中からキーノートスピーカーとして招聘され、160社以上の企業の変革をサポートしてきました。


デリバリング・ハピネスのCEO兼CHOのジェン・リム(Jenn Lim)

ビジネスモデルとしてのハピネス

「本を出してすぐに全米バスツアーを行い、多くの方々と触れあってハピネスのムーブメントが起こせたのがよかったと思います」というリム氏は、「でもその時は、こんなに世界中から興味を持ってもらえるとは思ってもいませんでした」と当時を振り返ります。

企業の改革支援をするデリバリング・ハピネス社のクライアントには、ベンチャーや中小企業だけでなく、ヒルトン、ヒューレットパッカード、アウディ、モルガンスタンレーなど、グローバルな大企業もずらりと並んでいます。また、クライアントの半分は米国以外に、それも欧米文化圏を超えた国々へも広がっています。

リム氏が社内でつくった「ザッポス・カルチャーブック」(企業文化を軸に社員の生の声や写真を集めたもの)は評判になり過ぎて、社外でも販売するまでになり、さらにはクライアント企業とともにそれぞれの会社のカルチャーブックまでプロデュースしているほどです。

「ザッポス・カルチャーブック」で、リム氏は生産性や収益性を高める“ビジネスモデルとしてのハピネス”を提唱しました。企業文化にフォーカスして従業員のハピネスを上げれば、顧客もハッピーになり、業績が改善するというモデルです。

文=本荘修二

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