エンビジョンの創業者は先日、スタンフォード大学において、今後の5年で価格が50ドル程度まで下落し、ガソリン車の時代は終了に向かうと発言した。
エンビジョンは今年8月に日産自動車のバッテリー部門を買収したが、その後の研究でバッテリーのコストを劇的に引き下げる方法を突き止めたという。同社CEOのレイ・チャン(Lei Zhang)は、スタンフォード大学で開催されたGlobal Energy Forumでこの件を報告した。
エンビジョンのレイはスタンフォード大学のArun Majumdarと、今後の目標達成の時期について議論した。
「私はArunの発言を、少し補足したい」とレイは話した。
「Arunは我々が1キロワット時あたり100ドルのバッテリーを実現する時期を、2022年と述べたが、私の考えではもっと早期に実現可能だ。当社は2020年までに100ドルのバッテリーを米国市場向けにリリースする。エンビジョンは、日本のバッテリー企業を傘下に収めており、今後のコストのトレンドを極めて詳細に分析している。この調子でいけば、おそらく2025年には1キロワット時あたり50ドルのバッテリーを市場に投入できる」
スタンフォード大学のプレコート研究所(Precourt Institute)で、エネルギー関連の研究を行うMajumdarは、カンファレンスに先立ち、次のような予測を発表していた。
「今後の5年から7年で、バッテリーパックのコストは1キロワット時あたり100ドル程度にまで下落するだろう。100ドルが達成できれば、EVの製造コストはガソリン車とほぼ同等になる。さらに、その後の15年から20年で、EVは世界的に普及していくだろう。EVは大気汚染の問題を解決する。約100年続いたガソリン車の時代が終わりに向かっていく」
エンビジョンは中国で第2位の風力タービンメーカーで、エネルギーの管理ソフトウェアも開発している。レイはEVの普及が進めば、ガソリン車はあっという間に過去のものになると述べた。
「EV車の価格はガソリン車よりも20から30%も安くなる。消費者らは一斉にEVに買い換えるだろう」
中国での新車販売台数は年間3000万台に近づいている。今後の課題となるのは、急増するEVの充電設備のマネージメントだとレイは話した。
「大量のEVが一度に充電をしようとすると、大変な事態になる。IoTとAIを組み合わせたシステムで、全体を管理する必要が出てくる。電力需要を正確に予測し、適切な給電が行える、非常に洗練された仕組みが必要になる」とレイは続けた。