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カルロス・ゴーン(Photo by Vincent Isore/IP3/Getty Images)

日産自動車、仏ルノー、三菱自動車の3社連合を率いていた自動車業界の重鎮、カルロス・ゴーンが先週、報酬の過少申告や会社資産の私的流用の疑いで逮捕された。

業界で最も尊敬を集めていたリーダーの一人であるゴーンは、コスト削減に加え、自動運転技術や電気自動車への移行を進めることで、日産とルノーを再建した立役者と評価されている。ゴーンは、数年間にわたり自身の報酬を過少に申告していたことが、日産の内部調査により発覚し、内部告発者によって当局に通報された。

自動車業界の役員の中で最近、法に抵触した者はゴーンだけではない。以下に、過去2年間に犯罪行為の疑いが浮上した4人を紹介する。

米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は今年8月7日、同社株を非公開化する「資金が確保された」とツイートしたことで、米証券取引委員会(SEC)の調査対象となった。


イーロン・マスク(Photo by Diego Donamaria/Getty Images for SXSW)

マスクは、サウジアラビアの政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)」との非公式なやり取りに基づき、資金が確保できると推定していた。SECは9月27日、テスラ株を非公開化する可能性に関し「偽りで誤解を招く数々のツイートを掲載し、証券詐欺に及んだ」として、マスクを提訴した。

その2日後、マスクはSECと和解し、罰金2000万ドル(約22億6000万円)を支払うこと、45日以内にテスラの会長職を退き少なくとも3年間復職しないことに同意した。また、テスラ社も2000万ドルの罰金を科され、2人の独立した取締役を指名することを強いられた。

フォルクスワーゲン(VW)は2015年9月、ディーゼル車の排ガスデータを改ざんしていたとして告発された。このスキャンダルは「ディーゼルゲート」と呼ばれ、当時の伝説的なマルティン・ウィンターコルン会長兼CEOを含む多くの経営陣が解任されたが、ウィンターコルンが不正行為の隠ぺいを企図したとして米国で起訴されたのは今年になってからのことだった。

ただ、米国での起訴は無駄な努力になるかもしれない。ドイツ連邦司法省は自国民を刑事訴追のため欧州連合(EU)外に引き渡すことはなく、米国と犯罪人引き渡し条約を結んでいる国にウィンターコルンが向かうとは考えにくい。


マルティン・ウィンターコルン(Photo by Alexander Hassenstein/Bongarts/Getty Images)

しかし、他のVW役員らはウィンターコルンほど機転が利かなかった。ミシガン州にあるVWの環境・エンジニアリング部門を率いていたオリバー・シュミット(48)は2017年1月、家族との休暇中にマイアミ空港の男性トイレで逮捕され、米連邦刑務所での禁錮7年の刑を言い渡された。

フォードに30年以上にわたり勤務し、北米事業の社長を務めていたラージ・ナイールは今年2月、「不適切な振る舞い」についての匿名の告発を受けて解任された上、2020年に支払われるはずだった500万ドル(約5億6500万円)の残留特別手当も水の泡になった。驚くことにナイールはその後、45万ドル(約500万円)で販売されるフォードのプレミアスポーツカー「GT」を製造するマルチマティック(Multimatic)のCEOとして転身を果たした。

編集=遠藤宗生

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