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AI通信「こんなとこにも人工知能」

panuwat phimpha / Shutterstock.com

動画の編集に人工知能を導入しようという動きが、にわかに活発化してきている。特に韓国からは、ここ数カ月でいくつかの具体的なユースケースが報告されている。

地上波局のひとつであるSBSは、韓国国内としては初めて、人工知能にクリップ映像を編集させるサービスを提供開始した。クリップ映像は内容をまとめたハイライト版のようなもので、番組の宣伝・告知などに使われるケースが多い。

「ACES(Artificial intelligence Clip Export System)」と呼ばれるSBSのクリップ生成システムは、目標時間(ランニングタイム)を入力すると、自動的に映像を分析し、クリップ映像を制作してくれる。1時間番組を短縮編集するのにかかる時間は15分ほどだ。

人工知能が各シーンの重要度を学習・判断し、「興味深い内容」を抜粋して動画を編集していく。現段階ではまだ、ドラマや映画などストーリー性を持つコンテンツの編集に応用が難しいそうだが、バラエティ番組など連続性や文脈の重要度が低いコンテンツのクリップ制作には重宝できるレベルになっているという。開発関係者は、撮影した際の不要な尺を取り除くなど、一次編集時に広く使っていける算段が高いと説明している。

一方、韓国のIT最大手であるNAVERは、動画プラットフォーム「V LIVE」に人工知能を使った「オート・ハイライト」という機能を追加した。これは、画像認識と個体追跡技術を用いたもので、自分が好きな芸能人やタレント、アーティストなどが登場するシーンだけを追跡・編集してくれるというものである。

例えば、好きなアイドルグループのライブビデオがあるとして、〇〇君だけにフォーカスを充てて編集してくれるというものだ。特定人物を追跡する精度は、すでに99%に達しているという。

リスクよりも可能性を重視へ

低画質の映像を高画質に変換してくれる「スーパー・レゾリューション技術」の開発も進んでいる。

国内屈指の理工系大学KAISTからは、ディープラーニングを利用した、新たなインターネット動画転送技術が発表された。これは、ネットの接続環境が劣悪な状況でも、高画質、また4KやAR・VRなどの視聴を快適にする可能性を秘めているようで、すでに国際特許の出願が完了した状態だという。動画の視聴に関しては、5Gなど新たな通信規格が話題になることが多いが、併せて注目したい技術動向になりそうだ。

動画と人工知能といえば、顔と顔、顔とセリフなどを入れ替える「ディープフェイク」などの技術が注目を浴びてきた。ディープフェイクは技術的に期待を持たれている反面、動画の存在意義を根本的に覆してしまうという危機感や、プライバシー侵害や事実ねつ造をいかに防ぐかという議論にさらされてきた。言い換えれば、どう使うかが定かではなかった。

ただ今後は、現状の動画ビジネスにAIをいかに連動させるかという、実用的な議論・開発が隆盛を迎えていくのかもしれない。

連載 : AI通信「こんなとこにも人工知能」
過去記事はこちら>>

文=河 鐘基

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