フランスのエマニュエル・マクロン大統領が、「Welcome innovators」と演説されていた。衝撃だった。「え、もしかして私はフランスに呼ばれてる?」と、勝手にそう思った。そして、大統領が何のイベントについてスピーチしてるのか調べると、Viva Technology 2018と書いてあった。
恥ずかしながらそのイベントを知らなかったので先輩に聞くと、どうやらパリで開催されるヨーロッパ最大規模のスタートアップとテクノロジーのイベントで、イノベーション促進を目的としているものだという。なんと、マーク・ザッカーバーグもスピーカーで呼ばれている。絶対に行きたいと思い、他の予定をずらすのも覚悟で、その場ですぐに申し込んだ。
翌日、イスラエルからフランスに飛ぶことにした。イスラエル空港でフランス人の芸術家と仲良くなり、パリ空港に着いてから市内のホテルまで一緒にウーバーに乗車した。後に、彼を訪ねにモンペリエに行った時、起業家と出会うことになるとは夢にも思わなかった。
10万人規模の大規模イベント
5月24日、9000社を超えるスタートアップ、1900人の投資家、1900人のジャーナリストが参加するViva Techに、シリコンバレーで出会ったフィンランド人の友人と参加した。長い行列に並び、30分ほどでようやく中に入れた。チケット代はそう安くはないが、サンフランシスコの大規模イベントに比べると安価だった。今年は、125カ国から約10万人が来場するという、規模感が衝撃だった。
まだ見たことないテクノロジーはないかと思っていたら、入口にすぐに、自動運転のスタートアップがあった。彼らに話しかけてみると、自社独自のAI(人工知能)により、巨額の資金調達に成功したと教えてくれた。
数年後の未来の車は、運転手が不要で、3〜4人でミーティングをしている間に目的地に連れて行ってくれる、と嬉しそうに語っていた。「あれ、ここは、グーグルキャンパスだっけ?」と思ってしまうほど、シリコンバレーと温度差を感じなかった。
Viva Techは、基調講演のスピーカーに世界中から政府の要人や著名なCEOを招いていた。ルワンダのポール・カガメ大統領、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO、マイクロソフトのサティア・ナデラCEO、IBMのジニ・ロメティーCEO、ウーバーのダラ・コサロウシャーヒCEOなどなど。彼らはステージで、自社のテクノロジーやサービスでどう世界を変えていくかを中心に語っていた。