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I write about economic and social trends in China. @johannylander

QualityHD / Shutterstock.com

クリスマス・シーズンに買い物をする米国の消費者にとって、自国政府が中国に課した制裁関税は、商品の値上がりと支出の増加を意味する。そして、それは一部の小売業者にとっては打撃となる。

特に痛手を被るのは、小売最大手のウォルマートだ。同社はホワイトハウスに対して9月、追加関税の発動によって、米国内ではベビーベッドからクリスマスの装飾用の電球まで、世帯が購入するあらゆる商品が値上げされる可能性があると警告した。

関税は外国製品に対して課される間接消費税だ。国内で課される消費税と同じように、一部は販売する小売業者が負担し、残る部分は値上がりした価格で商品を購入する消費者が支払う。

これは間違いなく、米国の全ての消費者にとって悪い知らせだ。家計が苦しい世帯にとっては、なおさら良くない話だ。クリスマスのための買い物を、減らさなくてはならない。

さらに、ウォルマートをはじめ、顧客に占める低所得世帯の割合が大きい小売業者にとっても凶報だ。調査会社インフォスカウト(InfoScout)によると、低所得世帯がウォルマートで買い物をする割合は、その他の小売業者と比べ20~22%多くなっている。

ただ、念のために言うと、ウォルマートは考えられているほど中国製品に依存しているわけではない。小売アナリストのジョン・ゾリディスによれば、同社の米国内での売上高は、約56%を食料品が占めている。また、11%は「健康とウェルネス(薬や消費財、消耗品)」関連商品の売上高だ。同社にとって重要なこれら2つのカテゴリーの商品は、主に国内で調達しているという。

小売株の値動きに要注意

米国の対中制裁関税から低所得層が受ける影響については、それらの緩和につながり得るいくつかの要素がある。失業率が4%を下回っていることからも分かるとおり、その一つは労働市場が堅調なことだ。もう一つは、最低賃金が引き上げられていること。低所得層の収入の増加につながっている。

だが、それでも低所得世帯は、その他の要因から圧力を受けている。例えば、医療費の増加に依然として歯止めがかからないこと、最近では原油価格の上昇により、ガソリンや灯油などの燃料が値上がりしていることだ。

いずれにしても、投資家はウォルマートをはじめ、顧客に低所得層の消費者が多い小売各社の株の値動きに注意しておく必要がある。各社が驚くような事態が、彼らを待ち受けている可能性もある。

編集=木内涼子

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