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I cover the future of food, as it relates to sustainability.

(photo courtesy of BEYOND MEAT)

米国では植物性の材料を使って肉の味を再現した「植物肉」や、それらに関する話題を見聞きする機会が大幅に増加している。この分野に対する関心は、金融業界でも高まりつつあるようだ。

米CNBCテレビは先ごろ、植物由来の代替肉で作る「ビヨンド・バーガー」を提供し、複数の著名人が出資していることでも知られるカリフォルニア州のスタートアップ、ビヨンド・ミートが新規株式公開(IPO)を検討中だと報じた。JPモルガン、クレディスイス、ゴールドマンサックスが幹事証券会社になるという。

強気な姿勢やいかにも(肉の)ステーキを食べていそうな印象で評判の悪い“超過リターンを狙う”投資家たちが、完全菜食主義を意味する「ビーガン」向け製品を積極的に売り込むとは、興味深い話だ。だが、それこそが、私たちが生きる今の世界を象徴している。

消費者の間で高まる需要と、過去には考えられなかったような企業間の提携のおかげで、植物由来の食品は米国内のどこでも販売されるようになっている。食肉加工の最大手タイソン・フーズがビヨンド・ミート株の5%を保有していることが、そうした提携の好例だ。

多くの人は、両社は競合関係にあると考えているだろう。だが、実際のところ彼らは、食肉加工を手掛ける企業が今後、「タンパク質を供給する企業」に変わる可能性が高いことを理解している。

私たちの主要なタンパク源が動物の肉だという考えは、陳腐化し始めている。需要の増加を受け、穀物メジャーのカーギルや小売最大手のウォルマート、ファストフード大手のマクドナルドはそろって、植物性のタンパク質を使った商品の取り扱いを増やしている。

調査会社ニールセンによれば、米国人の40%が野菜の摂取量を増やしたいと考えている。関連商品はまた、気候変動がもたらす問題の重要な側面の解決に貢献し、企業の広報活動にも役に立つ。

ビヨンド・ミートは自社にとっての“推進力”となるこうした背景を活用し、追加の資金調達と生産規模の拡大を実現したい考えだとみられる。調査会社ユーロモニターによると、食肉産業の昨年の成長率は2%にとどまったのに対し、代替肉部門の伸び率は22%となった。供給は恐らく、需要に追い付いていない。

ビヨンド・ミートの既存株主は、上場をどのように受け止めるだろうか。株主の多くは「社会貢献投資」を行う人たちだ。公開企業であることの圧力が、イノベーションを減速させることになると懸念するかもしれない。一方、これまでの投資から高いリターンを得られる見通しとなることに加え、インポッシブル・フーズをはじめとする同業他社にも道を開くことになるとして、歓迎するかもしれない。

また、ビヨンド・ミート上場のうわさは、社会的責任を重視する投資家たちにも希望を与えるだろう。より多くの関連企業の上場は、彼らが思い描く気候変動の影響を受けない世界と歩調を合わせたものとなる。

国連は今年9月、牛肉に代わる持続可能な代替肉を開発したとして、ビヨンド・ミートに「地球大賞」(Champions of the Earth)を授与した。同社は創業以来、すでに2500万個以上のバーガーを販売。アジアと欧州にも市場を拡大している。急成長を続ける同社には、ビル・ゲイツやリチャード・ブランソンのほか、クライナー・パーキンスなど複数が投資している。

なお、本記事の執筆の時点では、ビヨンド・ミートは上場のうわさに関して何もコメントしていない。

編集=木内涼子

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