では、忠実な従業員を他社に気移りさせるものは何だろうか? 調査によれば、離職の一番の理由は、職業人としての成長機会の欠如だという。
大企業の多くでは、多彩なキャリアパスが用意されており、従業員の求める成長機会が存在する。調査によると、従業員1000人以上の企業で働く回答者の31%が、現在の企業で11年以上勤続していた。
一方で、成長途中にある中小企業でのキャリアパスは、大企業と比べ明確さに欠けることが多い。調査によれば、従業員1000人未満の企業で11年以上働いている回答者は全体の5分の1余りだった。
現在の企業に在籍し続ける一番の理由として、休暇・有給休暇制度を挙げた回答者は45%に上った。次に多かったのが健康保険の内容(34%)、その次は仕事のフレキシビリティー(29%)だった。
従業員が成長や昇進に前向きになるには、仕事外の生活面でのサポートを受けていると実感させることが必要であり、雇用主側はその実現のためにできることは何でも実行すべきだ。