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Editorial Assistant

Khakimullin Aleksandr / shutterstock.com

ヘルスケア関連のスタートアップ企業への投資額は昨年から今年にかけて、大幅に増加した。フォーブスが「Pitchbook」に依頼した調査によると、ヘルスケア関連企業が1回の資金調達で獲得する金額は、1年前と比べると平均70%の増加となっている。

今年9月の単月で、ヘルスケア領域のスタートアップが、ベンチャーキャピタル(VC)から調達した資金の累計は28億ドル(約3180億円)で、135件に及んでいた。これは1年前の16億4000万ドルから約70%の伸びだが、件数は同じ135件だった。平均の調達額は今年9月が2070万ドル。昨年は1210万ドルだった。

ヘルスケア関連のVC出資は空前のレベルに達している。2018年の年初以来、この分野のスタートアップが調達した資金は累計232億6000万ドル(約2.6兆円)で、1359件。昨年の同期間と比較すると61%の伸びだった。

Pitchbookはエネルギーや金融サービスなど、7つのセクターを追跡しているが、ヘルスケア領域は今年2番目に調達金額が多い分野となっている。1位は情報テクノロジー分野で、2941件のディールで381億ドルを調達していた。

モバイル型の超音波診断デバイスを製造するスタートアップ企業「Butterfly Network」は、9月に最大の資金調達を果たした企業の1社だ。2015年に創業の同社は、フォーブスの「30アンダー30」出身のNevada Sanchezらが立ち上げた企業。Butterfly Networkは製薬会社「Fosun Pharma」と「Fidelity Investments」が主導したシリーズDラウンドで2億5000万ドルを調達した。企業価値は12億5000万ドルとされた。

別のヘルスケア関連企業としては、医療機関や患者向けに診断プラットフォームを提供する「Clarify Health Solutions」があげられる。同社は「KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)」が主導したシリーズBで5700万ドルを調達。企業価値は1億5700万ドルだった。

ヒトの排泄物をDNA解析する企業「uBiome」は企業価値2億9800万ドルで、8300万ドルを調達した。スイスの製薬会社「ノバルティス」の元CEOのJoe Jimenezは9月、uBiomeの役員会に加わるとアナウンスした。

また、農業分野では「Indigo Agriculture」が2億5000万ドルのシリーズE資金調達を実施した。ボストン本拠の同社は微生物のゲノム情報のデータベースを構築しており、作物の健康的な育成に最適な微生物を割り出している。

さらに、別の30アンダー30出身メンバーが創業した製薬とバイオテクノロジーのスタートアップ「KSQ Therapeutics」も先月8000万ドルを調達しており、9月のこの領域の資金調達額で上位10社の1つとなった。

編集=上田裕資

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