目の前に積み重なっていることや、自分の外側から起きる事象ばかりに気を取られてしまうと、いざ重要なことを決めるときや新たな方向に進もうとするときに、良い決断ができないことが多い。なぜなら、外の出来事に翻弄されてしまっていると、自分が本当にやりたいことや進みたい方向性、または個人的な想いを無視してしまったり、自分の感情や思考を意識しながら考える余裕がなくなる。
結果として、仕事の質を上げ、自分の人生を楽しむために本当に大切にすべきことが、疎かになってしまうからだ。
そこで、今回は筆者がドラッカー・スクールに行って学んだ、何か大事な決断をするときに心がけていることを簡単に紹介しようと思う。私が意識していることは、下記の4つだ。
1. 疲れをとり、リラックスした状態を作る
2. 頭だけを働かせずに、感情と身体感覚に意識を向ける
3. 身体感覚や感情がどのように思考に影響を与えているか、繋がりを見つける
4. 改めて、自分(身体)が求めているものが何か問いかけてみる
1から順番に見ていこう。当たり前のことかもしれないが、不安・焦り・怒り・恐れ・フラストレーションなど、ネガティブな感情を持った状態、また身体的に疲れ果てた状態の中で重要な決断をしない方が良い。仕事への不安や嫌気がたまっていたり、残業が続き家でも土日も仕事をするような睡眠不足の中で、自分の将来を落ち着いて考えたり、大事な決断をしたりできるだろうか?
まず大事なことは、睡眠が足りてなければ睡眠をとる、体が疲れていればちゃんと休む、栄養が取れていなければキチンと食事をとり、身体の状態を取り戻すことがより良い決断をするために必須となる。そのためには、「必要のない仕事はやめる」「深呼吸を数分行う」「自分の好きなことや好きな場所を思い浮かべる」「瞑想する」「気分が落ち着ける人と意図的に会う」などの習慣化が大切だ。
次に、感情と身体感覚に意識を向けること。思考は決断するための大事な要素の一つだが、その前に自分の「感情」や「身体感覚」に意識を向け、それらと向き合うことが重要になる。
ほとんどの人は思考、つまり「頭で考えること」に重きを置いてしまい、自分の感情や身体感覚を無視してしまう。しかし、人間の脳は「思考」よりも「感情」と「身体感覚」を優先して、物事を無意識のうちに決めてしまう習性を持つ。そのため、感情や身体感覚を無視して頭だけで物事を考えてしまうと、どんどん自分の中での不一致が起き、ストレス状態が続くようになるというわけだ。
不安や苛立ちなどの感情があるときは、こめかみあたりになんとなく重さを感じたり、無意識の内に腕に力が入っていたりすることがある。自分の身体感覚に気づき、対処していくことが大切である。