経済・社会

2018.09.24 13:00

メイ英首相はチャーチルに学べ? ブレグジットに望まれる方針転換

テリーザ・メイ首相(Photo by Peter Nicholls - WPA Pool / Getty Images)

拘束力のない国民投票の決定を受け、英国は欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)に向かっている。意志の弱い、優柔不断な政治家のテリーザ・メイ首相が、2016年の国民投票の結果を法的拘束力があるもののように扱っているためだ。

この島国はEUからの離脱によって、最大の貿易相手国(EU)から関税を課せられることになる。そして、メイは長期的な自国経済の衰退に向けて、積極的に行動している。経済学をきちと学んだ人なら誰でも、経済成長や経済的福祉に自由貿易が不可欠であることを理解しているはずだ。

ウィンストン・チャーチル元英首相はかつて、「座って人の話を聞くのに必要なものは勇気だ」と述べた。今メイに必要なのは、その勇気を持つことだ。自らの政治基盤や政治顧問、PRコンサルタントの意見を聞くことではない。

メイは世界中のノーベル経済学賞の受賞者と、一流大学の経済学者たちを対象とした調査を行ってみるべきだ。圧倒的多数が、英国のEU残留を支持するだろう。国内の経済学者にも投票してもらえばいい。彼らは2016年の国民投票のときと同じことを主張するだろう。改めて、ブレグジットはひどい間違いであると訴えるはずだ。

そして、メイは今年6月末から9月上旬にかけて英国で行われた世論調査の結果をよく見てみるといい。EU残留を望む国民は、離脱支持派を上回っている。

人の考えは変わるものだ。ブレグジット賛成派が勝利した国民投票の1カ月後には、残留を支持する人の方が多くなっていた。首相も考えを変えてもいい。メイが自身のキャリアよりも国のことを考えるなら、きっとブレグジット支持からエグジットする(離れる)だろう。

メイは少なくとも、最終的な決定事項について国民投票を行うべきだ。その時点でのEU離脱が本当に国民の支持を得ているのかどうか、確認する必要がある。
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編集=木内涼子

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