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台湾とアジア地域に関するあまり知られていない話題をカバー

Akshdeep Kaur Raked / Shutterstock.com

昨年10月、台湾の公平交易委員会(日本の公正取引委員会に相当)は、米国のチップメーカー「クアルコム」に対して234億台湾ドル(約840億円)の罰金の支払いを命じた。

公平交易委員会は、クアルコムが独占的な地位を濫用し、同社が保有する特許に対して台湾企業から過大なロイヤリティを徴収していたとしていた。クアルコムは台湾の製造受託企業を多く顧客に持ち、台湾事業は同社の2016年の売上高の12%を占めた。

しかし、公平交易委員会は発表から1年後に罰金の支払い命令を取り下げた。委員会の公式サイトによると、クアルコムが異議を唱えた訳ではないという。両者は、罰金免除の見返りとして、クアルコムが台湾に多額の投資をして現地企業と協業することで合意したという。このような行政と企業との間の取引きは台湾でも珍しいという。

クアルコム以外にも、米国の大手テック企業が台湾での事業拡大を相次いで発表している。今回の合意により、クアルコムは罰金を免れるだけでなく、台湾企業との関係強化を図ることが可能になる。

5Gプロジェクトを再開

台湾メディアの報道によると、クアルコムは5Gモバイルネットワークの立ち上げや、地元テック企業の海外進出を支援するという。クアルコムは、行政処分により中断していた財団法人「工業技術研究院(Industrial Technology Research Institute)」との5Gモバイル技術開発プロジェクトを再開する。

クアルコムは、8月23日に発表した声明の中で、「Center for Operations, Manufacturing Engineering and Testing in Taiwan」という名称の製造拠点を建設することも明らかにしている。

「新施設は、当社のサプライチェーンとオペレーション、エンジニアリングや開発などの関連機能を結びつける役割を果たす」と同社は述べている。建設費用は明らかになっていない。クアルコムによると、台湾ではこれまで通りライセンス供与を行っていくという。

クアルコムは、過去2年にわたるアップルやブラックベリーとの法廷闘争や、韓国政府への制裁金支払いにより減益に陥った。同社の2017年の業績は、売上高が対前年比5%減の223億ドルで、純利益は57%減の25億ドルだった。過去には台湾政府も同社に制裁金を課している。

編集=上田裕資

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