3. パイプラインを多様化する
多様なパイプラインの確保は、組織の内側から多様化を高める鍵となる。従業員からの紹介に頼るよりも、外部サイトへの求人広告投稿を検討しよう。人は同じ部類の人々が集まるネットワークに属する傾向があるため、身内からの紹介は多様化の妨げとなる場合もある。
さらに、最終候補者グループを多様化することで、大きな効果が期待できる。複数の研究によると、最終候補者グループ含まれる少数派が1人だけの場合はその人が就職できるチャンスはほぼないが、2人が最終選考に残った場合だとその確率は194倍高まるという。
4. 面接プロセスを体系化する
面接を終えた時、候補者がその仕事にふさわしくないという“直感”を持った経験は、皆さんにもあるだろう。問題なのは、いくらそれが正しいように感じようとも、直感は採用を見送る正当な理由にならないということだ。
解決方法のひとつは、面接プロセスを体系化することだ。台本を用意する必要はなく、自然な流れに任せた方がよい結果になる場合も多い。だが、各応募者に似た質問を投げかけることで、比較分析するためのデータセットを得ることができる。あなたが持つ直感は、内在する偏見の表れかもしれない。
5. チーム内の偏見に注意する
無意識の偏見は、避けようがないものだ。出会う相手が「自分に似ている=友好的な」人なのか、「自分と似ていない=危険な」人なのかを瞬時に判断する必要があった時代に、人間の脳が獲得した自然な作用なのだ。実際に脳は、機会や報酬を特定する領域よりも、脅威を認識する領域の方が3〜4倍も大きい。
偏見は脳の奥深くに根付いたものであるものの、自分自身やチーム内の偏見を精査する方法はある。フェイスブックは、自社の従業員向けに、無意識の偏見について教育し、その対処方法を学ばせる研修ビデオを用意している。自分自身が偏見を持っていることは受け入れがたいが、意識を持つことが重要だ。意識していないものを克服することはできないのだから。
まとめ
・職場の多様性は、皆の得になる。
・全ての人間は偏見を持っており、それは恥じるべきことではない。偏見の存在を認識し、無意識の偏見を克服する努力が重要だ。
皆さんは、自分の組織の多様性を高めることができると感じるだろうか? 自分自身とチームが無意識の偏見に対応できるよう、どんなステップを取ればよいだろう?