一流テニス選手に学ぶ、最高のリラクゼーション方法

(左)ノバク・ジョコビッチ、(右)ラファエル・ナダル(Photo by Noam Galai/Getty Images)

スポーツファンなら誰でも、応援しているチームが試合で負けていると、心臓が止まりそうなほどの緊迫感を感じるだろう。

私自身も、ラファエル・ナダルが2008年のウィンブルドン決勝でロジャー・フェデラーと対戦した時や、2012年の全豪オープンと今年のウィンブルドンでノバク・ジョコビッチと長丁場の闘いを展開した時などには、そんな気持ちで観戦していた。

だが、自分がテニス選手であることを想像してほしい。トーナメントでどこまで進めるかによっては、2週間にもわたり高い集中力を維持しなければならないため、テニス選手にとってはリラックスして体勢を立て直す能力が一層大切になる。私が世界一流のテニス選手に会うとき、それぞれのリラックス方法について聞いてきた理由もここにある。その答えは各人で大きく違った。

ニック・キリオスにとって、一番のリラックス法はビデオゲームで、どこに行くにしてもプレイステーションを持参しているのだという。「サーシャ」ことアレキサンダー・ズベレフも、兄のミーシャを含むグループでビデオゲームに興じている他、トランプをしたりバスケットボールについて話したりして余暇を過ごしている。だが、ズベレフのお気に入りは睡眠で、最低でも1日12時間寝ることを心掛けているのだという。

芸術活動に打ち込む選手もいる。ケビン・アンダーソンやガエル・モンフィスは音楽に情熱を注いでいる。数年前からギターを弾き始めたアンダーソンは、演奏することでとてもリラックスできると語っている。モンフィスの方はさらにクリエーティブで、主にコンピューター上で「ビート」や「サウンド」を作っている。2人にとって、音楽の良さは、テニスから自分を引き離してくれることにある。

最も対照的なのは、シモナ・ハレプとノバク・ジョコビッチのリラックス法だろう。ハレプはニューヨークで通りを歩き、多くの人を見て「エネルギーをもらう」のが好きだと話す。対してジョコビッチは「光のない暗い部屋で全ての機器を閉じ、呼吸をして、音楽を聞いてリラックスし、瞑想(めいそう)する」ことで緊張をほぐすと語る。
次ページ > 最高のリラクゼーション法は「覚醒レベル」で決まる

編集=遠藤宗生

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事