ビジネス

2018.08.19 18:00

グーグルも支援のアグリテック企業の「農業を民主化する夢」

anyaivanova / shutterstock


FBNはまず5種類の遺伝子組み換えでないトウモロコシの種子と、4種類のグリホサート耐性(除草剤で枯れない特質)を持つ大豆種子を販売する予定だ。大豆種子は、モンサントの「Roundup Ready 1」と特徴が似ているが、特許が切れたことでジェネリック版を販売することが可能になった。
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今後は、トウモロコシや大豆以外の種子も加え、遺伝子組み換えでない作物と特許の切れた遺伝子組み換え作物の種子を販売する予定だという。同社がサイト上で販売する種子や除草剤、肥料の価格は農家の所在地や規模に関わらず一定で、安く設定さえている。

FBNは、F2Fの販売によりデータ分析と種子開発を一貫して行うことができ、前年の結果に基づいてより農家のニーズに合った種子を提供することが可能になる。

「農家から取得するデータを分析することで、育ちの良い種子を選び、収穫量を増やすことが可能になる」とBaronは話す。
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BaronとWulfkuhleは、農家が収益の減少を気にすることなく遺伝子組み換え種子から遺伝子組み換えでない種子に切り替えるようにしたいと考えている。トウモロコシ種子の価格は、遺伝子組み換えだと1袋270ドル、プレミアム商品だと400ドル以上するのに対し、遺伝子組み換えでないものは170ドルほどだ。

FBNの種子は、1袋99ドルと大幅に安いが、種をまく時期が近付くにつれて価格は上昇するという。トウモロコシの場合、種子1袋で2.3エーカーの農地をカバーできる。このため、遺伝子組み換えでない種子であれば1エーカー当たり30ドル節約でき、5000エーカーの農地であれば15万ドルも節約できる計算だ。データが蓄積されて最適な種子を提供できるようになれば、収穫量を減らすことなくより大きな金額を節約することが可能だ。

「雑草防除だけが目的であれば、除草剤耐性のハイブリッド種子を使う必要はない。今後は、農家が十分な知識を得た上で最適な判断を下すことが可能になる」とWulfkuhleは話す。

編集=上田裕資

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