紀元前3000年には人類が定住していたとされ、1870年代には真珠の養殖で栄えたドバイ。石油産業に力を入れる首都のアブダビに対し、ドバイでは経済発展に注力し、アラビア湾岸随一の商業都市として発展。郊外から市街地を眺めれば、砂漠の向こうに林立する超高層ビル群は未来都市のような佇まい。街のあちこちでは道路工事が行われており、その変化の激しさは現地在住者ですらしばしば道を間違えるほど。
2018年1月には旧市街地と新市街地を向かい合わせるような、巨大な額縁である「ドバイ・フレーム」が開業し、地元民や観光客を集めている。そんな、過去と現在、そして未来が同居するドバイを往く。
経済都市としての繁栄を象徴
新市街の中心は「バージュカリファ」。2004年に着工し、10年に開業。プロジェクトはドバイ首長国の首長であるムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム(=シェイク・モハメッド)自らが指揮をとった。ドバイの繁栄を示し、世界の耳目を引きつけるランドマークの建造は国を挙げてのプロジェクトだった。
次代を担うU-30世代の育成
17年9月には国家の支援のもと若いメディアの専門家や起業家、研究者のためのミーティングスペースや図書館、カフェ、シアターなどを備えた「ユースハブ」を開設。若年層の育成はドバイ首長国のみならず連邦政府にとっての重要事項だ。
ユースハブ
摩天楼へ白球を打ち込む爽快感
超高層ビルが立ち並ぶダウンタウンの南側には、1988年に開業した「エミレーツ・ゴルフ・クラブ」がある。毎年2月にはヨーロピアンツアーのトーナメントも開催される本格志向のコースであり、ドバイ在住のビジネスパーソンたちの社交の場でもある。夜間もプレー可能で、夜景に向かってショットを繰り出す爽快感は格別だ。
アート・ショービジネスも進出
経済が急発展する一方で、2016年8月に「ドバイ・オペラ」が開業するなど芸術や文化にも目が向けられている。17年には「シルク・ドゥ・ソレイユ」の演出で知られる演出家フランコ・ドラゴーヌが手がけるショー「ラペール」がスタート。巨大な専用シアターでは、ステージ中央のプールめがけて25mの高さからパフォーマーが飛び込むなど、ドバイの歴史やアラビアの美意識を注ぎ込んだショーを披露。
食のトレンドも敏感にキャッチ
ドバイ中心地から車で20分程度の場所にある、アルカーザルアベニューは倉庫街を改装したカフェやアートギャラリーなどが立ち並ぶ。
「Mirzam」ではカカオ豆の選別からタブレットになるまでの製造を一貫して行う、“Bean to Bar”でのチョコレート作りを行っている。産地ごとの特性を楽しみ、トレーサビリティーにも目を向ける、世界的なトレンドにも敏感に反応。
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