出会い系アプリ「バンブル(Bumble)」は、女性たちが画面を右にスワイプするだけで異性や同性の仲間との出会い、さらには新しい仕事のチャンスも得られるアプリとして人気だ。バンブルの企業価値はフォーブスの試算では10億ドルに達し、創業者のホイットニー・ウォルフの資産額は2億3000万ドル(約260億円)と推定される。
彼女は今年のフォーブスの
「アメリカで最も成功した女性」リストでは惜しくもランキング圏外となったが、バンブルの成長ぶりからは、ウォルフがそう遠くない将来ランキングに加わるのは確実だ。
ウォルフは、バンブルの最大のライバルである「ティンダー」の2012年の創業メンバーの一人だった。その後、彼女はティンダーの共同創業者で彼女の元恋人でもあるジャスティン・マティーンをセクハラで告訴し、2014年に同社を去っていた。
ウォルフはマティーンから和解金として100万ドルを受け取ったが、ゴシップメディアは彼女に関わる様々な噂を書きたてた。「見知らぬ人から最低な言葉をぶつけれられたこともあった。リアリティー番組に出演するという根も葉もない噂まで書かれて、あの頃はかなり落ち込んだ」と彼女は話す。
ウォルフはその後、ロシアで出会い系アプリ「Badoo」を成功させた英国人起業家のアンドレイ・アンドリーブと出会い、新しい形のデートアプリのアイデアを話した。
「女性は受け身であるべきだという考えが世の中に広まっていて、出会い系アプリにおいてもそれが当り前になっていた。私はその考えを変えたいと思った」
その思いを形にしたアプリが「バンブル」だ。マッチングが発生したらまず女性のほうから最初のメッセージを送らねばならない。時間内にメッセージを送らないとマッチングは消えてしまう。
バンブルのアイデアに惚れ込んだアンドリーブは1000万ドルのシード資金の出資に合意。ウォルフをプロダクト責任者にし、バンブルの株式の20%を持たせた。2014年12月にローンチしたバンブルは最初の1カ月で10万ダウンロードを突破した。