ビジネス

2018.07.30 10:00

出会い系アプリを10億ドル企業に育てた29歳女性起業家


ティンダーの親会社との訴訟合戦

バンブルのフェミニズム的アプローチは、出会いの場の主導権を女性に握らせることのみではない。2016年には「Bumble BFF」という新機能をデビューさせ、女性たちがビジネスの仲間や友人と知り合える手段を与えた。さらに、Bizzという機能でリンクトインのようなビジネスネットワークの領域に進出した。

その後の4年間でバンブルは3500万人以上の利用者を抱えるまでに成長。米国で最も急激に成長したデートアプリとなり、ユーザー成長率は前年度比70%に達している。また、利用者の約10%が月額9.99ドルを支払っており、2017年の売上は1億ドルに到達した。

バンブルの成長率に目をつけた出会い系ビジネスのコングロマリット「Match Group」は2017年、4億5000万ドルでバンブルに買収提案を行なったが、ウォルフは断った。理由の一つはMatch Groupの親会社がティンダーであることだ。Match Groupはその後、提案額を10億ドルに増やしたが、ウォルフはそれでも断った。

そして、2018年3月にMatch Groupは、報復措置としてバンブルを「機能と見た目がティンダーに酷似している」として提訴した。バンブルの側もこれを逆提訴し、4億ドルの損害賠償を求める訴訟を起こした。

法廷闘争は今も継続中だが、一つだけはっきりしているのは、バンブルが成長を続けていることだ。裁判のニュースが報じられて以降、バンブルの利用者は500万人も増えたのだ。

29歳のウォルフは今、多忙を極めている。「とにかく忙しすぎて、つまらない揉めごとに関心を払うようなヒマはない」と彼女は話した。

編集=上田裕資

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