アリババはAI関連企業に膨大な投資を行なっており、企業価値が45億ドルとされる顔認識に強みを持つAI企業「センスタイム」の、最大の出資元となっている。アリババはまた、昨年10月に「DAMOアカデミー」を設立し、AI関連のR&D分野に3年間で150億ドル(約1.7兆円)を投資していく計画だ。
さらにアリババが進めるスマートシティ計画が「シティブレイン(City Brain)」プロジェクトだ。浙江省杭州市で始まったアリババの同プロジェクトは、まもなくマレーシアの首都クアラルンプールでも展開される。
シティブレインプロジェクトはAIを活用し、都市の交通を管理することで渋滞を15%緩和した実績を持っている。アリババの究極的なゴールは、クラウドベースでAIを運用し、ネットの接続さえあればサプライチェーンから個人まで全ての人が人工知能にアクセス可能な社会を実現することだ。
アリババは今年6月、養豚関連事業を手がける徳康集団(Decon Group)や四川特駆集団(Tequ Group)と提携し、顔認証テクノロジーを用いた養豚事業にも進出した。スマートシティから養豚の現場まで、アリババのAI活用事例は多様な分野に広がりつつある。