両社はともに、アマゾンとの戦略的・地理的な戦いにおける立場を強化するための積極的な行動に出ている。だが、彼らはそれによって、アマゾンを破ることができるのだろうか──確信は持てない。
つまり、小売業界におけるアマゾンの最大の競争相手は、小売業者ではない可能性もあるということだ。この件に関して最も刺激的かつ興味深い見解を表明しているのは、アマゾンの元幹部で現在は戦略・サプライチェーンに関するコンサルタントとして活躍するブリテン・ラッドだろう。
ラッドは先ごろリンクトインに投稿した文章の中で、「次のアマゾン」になる可能性が最も高い企業はフェイスブックだと述べている。
「フェイスブックには15億人のアクティブユーザーがおり、その数はさらに増加している。ユーザーは世界全体で1日当たり10億時間以上、同社のプラットフォームを使用している。消費者がアマゾンのプラットフォームを使用する時間は、2017年12月の一カ月間では約220億分だった
フェイスブックの15億人以上のユーザーがそれぞれのページを通じて、国境を越えた商取引や買い物ができるようになったら、どうなるだろうか。想像してみてほしい」
小売業への進出は可能
ラッドはまた、フェイスブックが自社を根本的に変え、「フェイスブック2.0」を生み出すために以下の行動を取ることができると提案している。
1. インターネットオークション大手の米イーベイ、または日本のネット通販大手、楽天を買収し、電子商取引プラットフォームを提供する。より有力な候補は、イーベイだろう。
2. ソーシャルメディア、コミュニケーションという自社の中核的な機能を活用する。自らのための価値創造戦略を実行し、世界中の顧客ための革新的な電子商取引体験を提供する。
3. 米物流大手XPOロジスティクスを買収し、主体的に物流サービスを提供するとともに、世界中の物流ネットワークを統合する。配送のラストマイル(商品の受け取り)において、顧客それぞれのニーズに応じた体験を提供できるようになる。