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フォーブスジャパン コントリビューティング エディター/ライター

東京のクリエイターと地方の町民・中学生が、アイデアと技術と地域資源を共有し、世界に通じる映像作品を生み出す。

アートや音楽などクリエイティブで地域活性化を行なう取り組みは全国各地で盛んだが、地域の子供たちのクリエイティブを育てる取り組みは珍しい。それも、世界に通じるレベルの作品が、生まれているという。

長瀞渓谷のさらに上流。パワースポットとして人気を集める秩父の山々に囲まれた美しい田園風景が残る人口8500人の小さな町で、いくつもの映像作品が生まれている。

そのひとつ『CLASS for CREATING MYSELF』は、東京、ソウル、台北、ニューデリー、香港、ジャカルタなどのクリエイターたちが作るデザイン賞「DESIGNAWARDS.ASIA」においてDESIGN OF THE DAYを受賞。



作品作りをしているのは、横瀬中学校の生徒たちだ。横瀬町に唯一存在するこの中学校に、東京から数々の受賞作品を持つ映画監督、グラフィックデザイナー、フォトグラファー、コピーライター、音楽家などのクリエイターが多数訪れ、クリエイティブ教育プログラム「YOKOZE CREATIVITY CLASS」を行っている。

脚本作り、ディレクション、撮影、録音、照明、演技などの現場の技術を教え、その集大成として生徒たちが映画を制作する。なぜこのような先鋭的なプロジェクトが、埼玉県奥地の小さな町で、始まったのだろう。

きっかけを作ったのは、地元出身の東京でデザイン会社SCHEMA取締役橋本健太郎だった。自分が生まれ育った故郷から若者が減り、高齢者ばかりになっていく現状を見て、何かを変えたいと思っていた2016年、横瀬町で、富田能成町長主導により、官民連携プラットフォーム「よこらぼ」がスタートした。

よこらぼの仕組みは、横瀬町のあらゆる資源をオープンにし、横瀬町で何かをしたい企業や団体に提供する。採択事業に対し、横瀬町全体が協力するという。

企業や団体と横瀬町がコラボして、新しいものを生み出していくこのプラットフォームから、イベントやツアー、実証試験など、これまでにおよそ30のプロジェクトが実行されている。

「(よこらぼを知って)『凄い仕組みができた』と思った。僕は長年東京で多数のクリエイターの方々と一緒に仕事をしてきて、彼らと横瀬を繋げたら面白いことが起きるんじゃないかと思ったんです」と橋本はいう。

橋本のクリエイター仲間の一人に、映像制作会社EXIT FILM代表の田村祥宏がいた。田村は仲間のクリエイターとともに、熊本県の黒川温泉郷を舞台にし、古来より地域に伝承される『神楽の舞』を中心とした美しい映像と音楽で織りなす映画『KUROKAWA WONDERLAND』をノンバジェットで制作。同作品は特に海外で人気を集め、多数の賞を受賞している。(http://exitfilm.jp/kurokawa-wonderland/)

橋本は、その田村を横瀬町に誘った。

横瀬町役場の職員で、現在、YOKOZE CREATIVITY CLASS事務局の田端将伸は次のように話している。

「最初は冗談かと思いましたけどね(笑)。橋本くんが凄い映像ディレクター達と一緒に秩父でキャンプをしているというので、差し入れを持って遊びに行ったんです。そのときは一緒に焚き火を囲んで、酒を酌み交わして楽しい時間を過ごしたんですけど、後日、田村さんから『この間もてなしてもらったから、横瀬のために何かをしたい』って連絡があって。

『いいねー!やろうやろう!』くらいの軽いノリで受け止めていたら、『今度横瀬町へいくので打ち合わせしましょう』『横瀬ってどんな課題を抱えているんですか?』って…マジなんですよね」

文=嶺竜一

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