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(Photo by Carl Court/Getty Images)

世界最大のサンドイッチ・チェーン、サブウェイが米国内で、相次ぎ店舗を閉鎖している。昨年中に約800店の営業を終了させた同社は、年末までにさらに500店舗を閉鎖する計画だ。

創業から50年を超えた同社は、採算ラインを下回る店舗の閉鎖により、近隣にあるその他店舗の業績向上を実現させたい考え。スザンヌ・グレコ最高経営責任者(CEO)は4月にブルームバーグの電話取材に対し、(店舗数ではなく)「来店客数の引き上げと市場シェアを重視している」と述べていた。

サブウェイをはじめとするクイックサービス形式のサンドイッチ・チェーンが直面しているのは、より質の高い商品を提供するジミー・ジョーンズやジャージー・マイク・サブ、ファイヤーハウス・サブといったファストカジュアル・チェーンからの圧力の上昇だ。

肉類やその他のトッピング、パンも高品質であることを重視する若い世代の消費者は、質の高いサンドイッチを求めている。数ドルを余計に支払っても構わないと考える消費者がそうした商品を提供するチェーンに流れる現状を受け、サブウェイは「フットロング」(約30cm)で5ドル(約548円)のメニューを一部廃止。競合他社との間の価格差を狭めている。

低迷の理由

これまでのサブウェイの成長・拡大戦略には、どのような問題があったのだろうか。その一つが、サブウェイが直営店を持たないフランチャイザーであり、フランチャイズ加盟者がそれぞれに店舗を運営してきたことだ。店舗数を積極的に増やしてきたことで近接した店が増え、それぞれの売り上げを食い合う結果となった。

また、新しい考えを取り入れるという面にも弱点があった。消費者は期間限定の商品を好んで購入するようになっている。また、嗜好も変化しており、よりスパイシーなフレーバーや幅広い具材などを求めるようになっている。従来からあるサンドイッチは今もベビーブーマーやX世代に人気だが、ミレニアル世代やZ世代の消費者は、より自然で、ホルモン剤や抗生剤を使用していない食品、風味豊かな具材やソースを好む。

米市場は供給過剰

米国のレストラン業界は依然として、供給過剰の状態が続いている。一部の分野では売上高を伸ばす余地がほとんどなく、積極的な宣伝活動や値引きによって、来店客数と売上高を各社が奪い合う構図となっている。業界全体が低成長モード(名目成長率3~4%)であることから、多くのレストラン・チェーンは拡大戦略の主軸を発展途上国に移行している。

競合他社に比べ、サブウェイはすでに世界各国で多数の店舗を運営している。各国で店舗数を増やすための機会を十分に確保しているということだ。米国内での売り上げを安定させると同時に各国で大幅な成長を続けることができれば、ブランド認知度を高め、米国のファストフード・チェーンの中ではこれまでバーガー・チェーンしか参入していなかったような市場にも、進出することができるだろう。

体系化された強固なサプライチェーンと運営上の強みを持つ同社がグローバルな成長機会に賭けることは、賢明な決断だ。そして、米国内の店舗数が減ることは、業界内の需供バランスを取ることにつながる。それによって各チェーンは利益を上げ、店舗のオーナーや従業員たちの日々の懸命な働きに報いることができるようになるだろう。

編集=木内涼子

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