広州白雲国際空港は画像認識分野をリードする企業「Haiyun Data」のAIソリューションを用いている。ここで用いられた仕組みは「Rising Star」と呼ばれ、航空機の搭乗エリアやターミナル内のエリア、地下の預かり荷物エリアの管理に使用されている。
同空港では3つの区域のデータを集中管理し、外部の道路情報や地図データと絡めてAIで統合的に分析する。ここから得られたデータは航空機の運行情報や、旅客情報、荷物や交通情報の管理に役立てられる。
現状でこのシステムは1分あたり6万件のメッセージを処理可能で、管制塔ではリアルタイムで空港の情報をビジュアルで把握しているという。
ICT関連の情報サイト「OpenGov」によると中国では60以上の空港がセキュリティの向上の目的で顔認識テクノロジーを用いている。この動きは中国政府のハイテク総合研究と自然科学の最高研究機関「中国科学院」が主導し、年間で3000万人以上の航空機利用者を識別しているという。
中国科学院のShi Yuによると、旅客の顔は1秒以内にIDカードの顔と照合され、スムーズな旅を実現するという。
一方で、北京空港ではバイドゥのシステムを用いた顔認識のトライアルも進んでいる。また、北京師範大学ではキャンパスの寮に顔認識のセキュリティシステムを導入し、学生らは建物に入る際に自身の顔でゲートを通過している。
この分野のスタートアップとしては評価額30億ドル以上の「センスタイム」が特に有名で、中国の地方政府との取り組みを進めている。
中国政府は昨年7月、2020年までに1兆元(約16兆円)規模のAI関連ビジネスの育成を目指す計画を明らかにしていた。