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2018.05.06

香港の「新世代のカジノ王」ローレンス・ホーが歩んできた道

ローレンス・ホー (Photo by Victor Fraile/Getty Images)

香港の若きカジノ王として知られるのが現在42歳のローレンス・ホーだ。マカオを中心に統合型リゾート施設(IR)を運営する「メルコリゾーツ&エンターテインメント、以下メルコ社」を率いるホーは、新世代のIRを打ち出そうとしている。

昨年12月、メルコ社は新たなラグジュアリーホテルブランド「ヌワ」(NUWA)を発表し、マカオおよびマニラでの営業を1月から開始した。また、マカオのシティ・オブ・ドリームスでは故ザハ・ハディドが設計した新ホテル「モーフィアスタワー」の建設が年内のオープンに向けて進んでいる。同社は地中海のキプロスでもIRの開業を予定している。

メルコ社は昨年11月、日本法人の「メルコリゾーツ&エンターテインメントジャパン」を設立し、日本でのIR事業展開に向けて準備を開始した。

彼をカジノ業界に招き入れたのは、彼の父でカジノ王として知られたスタンレー(スタンレー・ホー)だった。香港生まれのローレンス・ホーは9歳でカナダに移住し、西側の文化の中で育った。そして、カナダの大学を卒業後、香港の投資銀行に就職。2003年から新しい世代のカジノリゾートの開発を進めてきた。

マカオ大学教授のDesmond Lamはホーが「新世代の中国人ビジネスマンだ」と述べている。「ホーはアジア人特有の勤勉さを持ち、西洋諸国の自由な発想とアイデアを形にしていく人物だ」とLamは話した。

カジノビジネスに詳しいLamによると、ホーのキャラクターが現地の若い従業員らを鼓舞し、IRリゾートに新しいアイデアを取り入れる意欲を高めているという。

その一例といえるのが2015年にオープンしたスタジオシティで、ハリウッドスタイルの娯楽施設が中国本土からの観光客を魅了している。カジノ業界のコンサルタントのMichael Zhuは「今後の事業拡大の鍵となるのは多角化だ」と述べる。

「ホーは今後、マカオ以外の海外で事業を成功させていくはずだ。アジアと西側の要素を融合させたリゾートで各国の人々を楽しませることになる」とZhuは話した。

フォーブスは2018年4月時点のホーの資産額を31億ドル(約3300億円)と算定している。

編集=上田裕資

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