米食品医薬品局(FDA)は4月13日、粉末状または液状の純カフェインと高濃度カフェインを栄養補助食品として大容量で販売することは、「非合法だとみなされる」との見解を示した。つまり、「違法であり、禁止する」と発表したのだ。
米国で販売されている商品の中には、メーカーがパッケージに推奨量を明記しているものもある。だが、それでは不十分だ。消費者にほんのごく少量(純カフェインの粉末ならティ-スプーン16分の1以下、液体なら同2杯半)を摂取するよう注意してほしいと呼び掛けても、それはまるで、まだ開けていないフィグ・ニュートンズ(ドライフルーツを包んだクッキー)の袋のうち、1枚だけしか食べてはいけないと言うようなものだ。
さらに、純カフェインはその他の製品と酷似しており、大きな間違いを招く可能性がある。例えば、液体カフェインは水のように見えるし、粉末カフェインは小麦粉や粉砂糖のようにも見える。コーヒーやチョコレートのような一般的な食品に含まれるものであっても、カフェインは薬と同じように捉えることもできるのだ。
大量摂取の理由
米誌ワイヤードは2013年、「米国人は年間6800t以上の粉末状カフェインを消費している。その量は貨物列車の貨車なら270両分、連なる車両の長さは約3.2kmになる」と報じた。
なぜそれほど大量のカフェインが消費されているのだろうか?カフェインには利尿作用があるが、恐らくそのためではないだろう。カフェインは興奮剤だ。眠らず起きているために、あるいは警戒心や集中力の維持、減量、運動能力や性的能力の向上のために使用している人もいると考えられる(世界アンチ・ドーピング機関はカフェインの使用を禁止すべきかについて調査中だ)。
ただ、こうした期待されるさまざまな効果に対し、カフェインがどれだけ有効であるかはまだ完全に解明されていない。
米ウォール・ストリート・ジャーナルはアスリートのカフェイン摂取について、次のように伝えている──カフェインの過剰摂取は危険だ。カフェインは心拍数を上げ、動悸や血圧上昇の原因となり、一定量以上を摂取すれば、心不全を引き起こす可能性もある。
神経系にも影響を及ぼし得る。頭痛、いら立ち、不安感、幻覚、散漫な思考や発言、さらには昏睡の原因にもなるのだ。そのほか胸やけ、胃潰瘍の原因にもなるとされている。
また、カフェインの過剰摂取による死亡は一般的ではないが、ここ数年内に報告された例もある。カフェインは中毒性が高い。自分がカフェイン依存症かもしれないと思うなら、摂取を数日間やめてみればいい。頭痛がしたり、やる気が出なくなったり、疲労感や気分の落ち込みを感じたりすれば、カフェインに依存している可能性がある。
上記のような影響から、カフェインの1日当たりの推奨量は、成人で400mgまでとされている。米国小児科学会は、12~18歳なら同100 mg未満とすることを勧めている。結局のところ、医師による厳密な管理の下で行われる治療に用いられる場合を除いて、純カフェインまたは高濃度のカフェインを摂取すべき論理的な理由はないということだ。