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医療ロボット、AI、機械翻訳を中心に寄稿

BigNazik / Shutterstock.com

来年行われるインド総選挙を前に、フェイクニュースの拡散の可能性をインド経済紙「エコノミック・タイムズ」が13日報じた。

同紙の報道によれば、フェイスブック社はAIでフェイクニュースを取り締まる施策に乗り出しているが、その試みもむなしく終わる可能性が高いという。というのも、そもそもフェイスブックに用意された対策AIは、世界共通言語である英語を認識するよう訓練されている。つまり、インドの少数言語で拡散されるフェイクニュースに太刀打ちできない。

フェイスブックおよび、フェイスブック社が買収した「ワッツアップ」はともに、ローカルな言語を通じたフェイクニュースの拡散に好都合な二大ソーシャルメディアになり下がってしまっているという現状がある。しかしこの件に関して、フェイスブック社はノーコメントだ。インターネット社会センター所長スニル・エイブラハム氏は、メディアに対して次のように答えている。

「インドでは複数の言語や方言が話されている。2017年7月、インドはフェイスブック人口において世界一となり、今や2億4100万人を超える国民がスマートフォンでソーシャルネットワークサービスにアクセスしている。ところが、フェイクニュース対策用のAIがターゲットとする言語となると、長らく自然言語処理の研究が行われてきた言語のみに限定されている」

英語に関しては、膨大な量のコーパス(言語データベース)がある。その場合、AIによる言語解析の結果、正確なデータが得られる。一方、インドで話される言語には訓練用データがなく、基礎的な言語インフラが存在しないのが現状だ。

なお、インド国内に住む非英語話者のための言語インフラ構築を目的に発足した「インディック・プロジェクト」の代表を務めるアニヴァー・アラヴィンド氏は、ソフトウェアを通じたインド諸言語の認知度向上が、その現状に対する解決策になり得ると考えているようだ。

世界全体においてフェイクニュースを問題視する有識者や研究者は多い。AI・自然言語処理分野では「フェイクニュースチャレンジ」が発足し、研究が進められている。まずは特定のトピックに対し複数のニュース提供機関の立場を理解することから始まり、最終的にフェイクニュース拡散防止に有効なAIや自然言語処理技術を開発予定である。

話は変わるが、フェイスブック社は言語資料の少ない希少言語(ベトナム語、タガログ語など)向けのニューラル機械翻訳モデルの開発プロジェクトを表明し、先日研究者の公募を締め切ったところだ。研究プロジェクトが順調に進めば、希少言語におけるフェイクニュース問題に進展があるかもしれない。

文=大澤法子

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