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台湾とアジア地域に関するあまり知られていない話題をカバー

XiXinXing / shutterstock.com

中国政府は2016年に「一人っ子政策」を緩和し、高齢化や若年労働者不足を解決する意思を明らかにした。しかし、中国では個人資産が増加する一方で、20年にわたり出生率の低下が続いている。中国の出生率の減少に歯止めはかかっていない。

そんな中、小売業界でも変革が求められている。世界最大の人口を誇る中国では、自動車や携帯電話、旅行やヘルスケアへの支出が増加する一方で、アルコールやタバコ、ファストフードへの需要は減少している。

中国のメディア「China Daily」が掲載した政府の統計では、2017年に出生した新生児の数は1723万人で、出生率は1.24だった。これは日本の1.46(2015年)を下回っている。China Dailyのコラムはこの状況が、将来的にマイナスの効果を中国にもたらすと述べている。

中国で1980年に始動した一人っ子政策は、今や13億8000万人に達する中国の人口爆発を抑制する狙いがあった。China Dailyによると2001年時点の出生率は1.34まで下がっていたが、規制緩和後の2017年の数値も2016年の1.29を下回る結果になった。出生率の減少には、歯止めがかかっていない。

クレディスイスが2017年10月に発表したレポートは「中国の消費者は今や、ライフスタイルの充実のほうにお金を費やしている」と述べていた。つまり、ヘルスケアや旅行、エンタメに国民たちはより多くの資金を注いでいるということだ。

このトレンドのなかで、スマートフォンや車、不動産市場は追い風を受けた。しかし、育児等に充てる資金は減少したとされている。

「中国経済に占める自動車の売上は2016年に12%を占めており、スマホ等の通信関連の支出は2001年の1.5%から3%に伸びていた」とロンドン本拠の「Capital Economic」のChang Liuは指摘する。NY本拠のアナリストらも旅行関連の支出が伸びていることを指摘する。

クレディスイスは中国の65歳以上の高齢者の比率は、間もなく英国や米国と同レベルに達すると見込んでいる。

そんな中で発動した、一人っ子政策の廃止が次のトレンドを生むことも予想できる。「ベビーカーのような育児アイテムと当時に、老人向けの歩行器の売上が伸びるかもしれない」とChang Liuは述べた。

ただし、住宅や食費に関しては支出を減らす傾向だとクレディスイスは述べている。「健康に対する意識が高まるなかで、特に売上減が予想されるのがファストフード市場だ。ファストフード業界は2016年時点で既に売上が伸び悩んでいる」とアナリストは述べた。

Liuによると食品や飲料、アルコールやタバコは2001年から2016年にかけて最も売上が低下した市場だという。この分野の売上は2001年には中国経済の20%以上を占めていたが、2016年には約12%までシェアを減らしていたという。

編集=上田裕資

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