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I cover fintech, crypto and the sharing economy for Forbes Europe.

(Photo by Jeff J Mitchell/Getty Images)

イギリスのエネルギーセクターはいま、混乱状態にある。そしてその責任の一部は、ヘイデン・ウッドにある。

昨年、国内最大のガス・電気サプライヤーのブリティッシュ・ガスは、親会社の株価が40%下落するという事態に陥った。数十億という金が吹き飛んだ。「彼らは100万人以上の顧客を失いました」と、ウッドは嬉しそうにフォーブスに語る。

人々は現在の公共事業に満足しておらず、ブリティッシュ・ガスが新しい顧客にとって魅力的な存在になることはまずないだろう。難解な法律用語であふれる請求書、90年代から変わっていないように見えるウェブサイト、役に立たない電話相談サービス……現在の公共事業者が苦労しているのも無理はない。

電気代の請求書を理解するのに苦労した経験が、エネルギースタートアップ「Bulb(バルブ)」の創業につながった、とウッドは言う。2015年に生まれたBulbのミッションは、彼が既存のエネルギーサプライヤーに見た欠陥のすべてを解決することである。

バルブ・ムーブメント

創業から3年も経たずして、Bulbはイギリスの30万戸以上の家と契約している。

「5人のメンバーで始めた会社は、いまでは90人以上になりました」。ロンドンのショーディッチで最も高いコワーキングスペース「Second Home」の最上階のほとんどを占めるオフィスを歩きながらウッドは言う。「ぼくらは現在、市場の1%を占めています。それは、リーズの街(イングランドの北部にある都市)のすべての家に普及しているくらいの規模になります」

Bulbは低価格のサービスと100%再生可能エネルギーを使っていることを約束することで、ブリティッシュ・ガスやE.ONといった既存のエネルギーサプライヤーから顧客を奪うことに成功した。それはまた、秀逸なマーケティングによるものでもある。

テレビ広告や広告看板にお金をつぎ込むのではなく、Bulbはソーシャルメディアによる口コミによって成長した。家族や友人への紹介によって新しいユーザーが登録すると、紹介した側とされた側のどちらにも50ポンドが支払われることになる。その戦略は功を奏した。2017年11月からの4カ月間だけでも、新たに10万人が顧客になったとウッドは言う。

再生可能エネルギーしか使っていないにもかかわらず、Bulbは最も低価格なプロバイダーのひとつだ(最安というわけではないが)。そして、その請求書は毎月メールで届く。シンプルでわかりやすく、法律用語の書かれていない請求書を、ウッドは最も誇らしく思っている。

だが、エネルギースタートアップの世界ではすべてが順風満帆というわけでもない。

翻訳・編集=宮本裕人

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