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giSpate / shutterstock.com

国際再生可能エネルギー機関(IRENA)の新しいレポートによれば、再生可能エネルギーのコストは急速に下がっており、数年以内に従来の化石燃料よりも安い電力源となるという。

2010年からこれまでで、陸上風力発電にかかるコストは23%、太陽光発電にかかるコストは73%減少。これらのエネルギーにかかるコストは今後も下がると期待されていること、そしてさらなるグリーン電力のオプションが増えることで、2020年には、再生可能エネルギーは化石燃料よりも安くなるはずだ、というのが150ヵ国以上のメンバーからなる同機関の主張だ。

世界的に、陸上風力発電にかかる平均的なコストは0.06ドル(約6.5円)/kWh、太陽光発電は0.10ドル(約11円)/kWhだ。それに対して、化石燃料から電力を生み出すにはkWhあたり0.05〜0.17ドル(約5.4〜18.5円)がかかる。

これらの数字は、2018年1月13日、アラブ首長国連邦の首都・アブダビで開催されたIRENA第8回総会の初日に「再生可能エネルギー生成コスト2017レポート」にて発表されたものだ。同レポートでは、太陽光発電のコストは今後数年以内にさらに下がり、2020年には現在の半分になると予測。つまり2年以内に、陸上風力発電と太陽光発電によって、常時0.03ドル(約3.2円)/kWhほどで電力を生み出せるようになるのである。

「エネルギー産業における重大なシフトはすでに始まっています」とIRENAの事務局長アドナン・アミンは言う。「エネルギー技術におけるこうしたコスト減少は前代未聞のものであり、再生可能エネルギーがいかに世界のエネルギーシステムをディスラプトするかを象徴するものでもあります」

スマートな経済的判断

急速なコスト減には、いくつかの理由がある。ひとつは、政府が新しい発電所をつくるための契約を結ぶ際に、競争の激しい入札プロセスを好むようになってきていることがある。これによって、プロジェクトデベロッパーが要求するコストは下がりやすくなる。世界中で発電所の設計を手がける経験豊かなデベロッパーの基盤ができてきたことも大きい。3つ目の理由としては、テクノロジー自体の進歩が挙げられる。

陸上風力発電と太陽光発電が再生可能エネルギー技術の発展を率いるなか、その“姉妹テクノロジー”もさらに安くなってきている。海洋風力発電と太陽熱発電のコストは、2020〜22年までに0.06〜0.10ドル/kWhになるとIRENAは推定しているのだ。

またこの1年の間に、バイオエナジー、地熱発電、水力発電などそのほかのグリーン電力においても、化石燃料と同等のコストになっているケースもでてきているとレポートは指摘する。

コストの減少は、大きな投資にもつながる。IRENA によれば、2013年以降、世界中で1兆ドル以上が再生可能エネルギー業界につぎ込まれ、業界は1000万近くの雇用を生み出している。

「再生可能エネルギーに切り替えることは、環境に配慮しただけの判断ではありません。いまやそれは、圧倒的にスマートな経済的判断でもあるのです」とアミンは言う。「2018年、さらなるムーブメントを起こすために世界中で再生可能エネルギーへの移行が見られることを期待しています」

翻訳・編集=宮本裕人

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