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Romanets / shutterstock

国連が先ごろ発表した最新の「世界幸福度報告書」で、フィンランドとノルウェー、デンマークが世界で最も幸福な3か国となった。これら各国はスイスとともに何年も、リストの上位に入っている。

一方、米国は今回、ランクを18位に下げた。ひどい順位というほどではないが、平均所得が増加してもランクダウンしているという点は、注目に値する。

なぜ上位3か国の人たちは、幸福度が高いのだろうか? 一般的には、税率が高くても生活の質が高く、安全だからと言われている。医療と教育の質も高く、そして無料だ。育児休業期間も長く、雇用や失業に関する不安を軽減するような労働市場モデルが確立されている。

米ディキンソン大学の教授(心理学)でデンマーク出身のマリー・ヘルウェグラーセンは、これらの3か国には日常の生活にとって重要な社会構造があると指摘する。それは、デンマーク語の「ヒュッゲ(hygge)」という言葉によって言い表されるものだ。

英語にはこれに該当する言葉は存在しないが、例えば「暖かい」、「居心地の良い」、または「つながりのある」社会的交流において見られる「意図的な親密さ」と解釈することができるという。教授によれば、「安全でバランスと調和の取れた、誰かと共有できる経験をしているときにもたらされる感覚」が「ヒュッゲ」だ。そして、スウェーデンとノルウェー、オランダの言語にはそれぞれ、ヒュッゲに該当する言葉があるという。

米国で起きている変化

世界幸福度報告書はそのうちの一章で、米国人の幸福度が低下している理由を説明している。この章を執筆した米コロンビア大学のジェフリー・サックス教授(経済学)は、背後には主に3つの要素があると考えている。

「米国人にとっての主観的な幸福は、肥満をはじめとする“流行病”、オピオイド中毒などの薬物乱用、うつ病という相互に関連し合う3つの要素によって、体系的に引き下げられている」

編集=木内涼子

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