Close RECOMMEND

PICK UP

世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

「私の財産告白」

各界のCEOが読むべき一冊をすすめる本誌の連載「CEO’S BOOKSHELF」。今回は、昨年東京証券取引所マザーズ市場に上場したマネーフォワードの辻庸介CEOが、「私の財産告白」を紹介する。


なぜ、多くの人が投資で失敗してしまうのだろう──ネット証券会社に勤務していたころのそんな疑問を解決するため、思わず手にとったのが、本多静六氏が書かれた本書でした。

本多氏は、林学博士、造園家で、日比谷公園や明治神宮の境内などの設計・改良を手がけた、日本の「公園の父」と称される人物です。

その一方で、“伝説の億万長者”ともいわれ、お金にまつわる数多くの著書を残していることでも知られています。しかも、少年時代から学生時代にかけての極貧生活を脱却し、富を築き上げたというから驚きです。この『私の財産告白』には、どのようにしてその富を築き上げたのかが、簡潔に書かれています。

気になるその方法とは、「勤倹貯蓄」と「投資」のたったふたつ。「本多式四分の一天引き貯金法」と名付けられた前者は、月給の4分の1を貯金にまわし、月給以外に得た収入のすべても貯金するという貯蓄方法です。本多氏は25歳の時からこの方法を実践し、財産の“根幹”を作ってから、後者の「投資」に積極的にお金を振り向けました。

貯蓄と投資。両者ともなかなかうまくできないという方が大半ななか、なぜ本多氏は成功することができたのでしょうか。それは、本多氏が理性を保ち、情にも流されず、歯を食いしばりながら続けてきたから。しかも晩年になって、全財産を寄付してなお簡素生活を送り、再び財産を築き上げたことで、経験を習慣化することの大切さを感じとることができます。

本書がきっかけとなり、私は、多くの人が「貯蓄を続けることができる環境を作りたい」と考えるようになりました。

そして至ったのが、「銀行口座やカードなど、自分の資産、収入や支出の全体像を知り、お金の流れが明確になれば、本多氏のように、理性を保ちながら貯蓄できるのでは」という考えでした。

その想いで、2012年に創業したのが自動家計簿サービスを手がけるマネーフォワード。多くの方に支持され、2017年9月に東証マザーズ市場に上場することができました。

いままで語ることをよしとされなかったお金と正しく向き合うことで、多くの方の人生をより豊かにすることができる。いまでは、そう確信しています。

ただし、やるべきことは無限大です。お金を「見える化」したいま、「貯める」「使う」についても、もっと適切なアドバイスができるようなスキームを作っていく必要があるでしょう。お金に悩むことがないライフスタイルを実現するためのサービスを、もっともっと提供していきたいと思っています。

title:私の財産告白
author:本多 静六
data:実業之日本社 1000円(税別) 216ページ


つじ・ようすけ◎1976年生まれ。京都大学農学部を卒業。ペンシルバニア大学ウォートン校MBA修了。ソニーを経て、マネックス証券に入社し、COO補佐、マーケティング部長を歴任。2012年にマネーフォワードを創業し、現職。2017年9月、東証マザーズ市場に上場。

文=辻庸介 構成=内田まさみ

記事が気に入ったら
いいね!しよう

LIKE @Forbesjapan

Forbesjapanを
フォローしよう

FOLLOW @Forbesjapan

あなたにおすすめ

合わせて読みたい