Close

PICK UP

世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

リンクトイン創業者、リード・ホフマン

“シリコンバレーの良心”とも呼ばれるリード・ホフマン(50)は起業家として、投資家として、数多くのスタートアップの成長を見続けてきた。

簡易決済サイト「ペイパル」を副社長として支えたのち、自らもビジネス特価型SNS「リンクトイン」を創業。2016年にマイクロソフトに買収されるほどの規模にまで育て上げている。

そのホフマンが注目しているのが「ブリッツ・スケーリング(Blitzscaling)」というビジネス戦略だ。迅速に動いて、スケール(規模を拡大)する─。今、シリコンバレーで急成長を遂げている、新興企業のほぼすべてが実践している戦略の全容とは。

Q. ベンチャー投資家として活躍しながら、ポッドキャストまで始めた理由とは?

A. 2015年にスタンフォード大学で「ブリッツ・スケーリング(電撃的な事業拡大)」という講座を受け持ったのですが、起業家たちに自分たちの会社をどのように急速に拡大したかを共有してほしいと考えたのです。驚異的なスピードで変わりながら、どのように社員や顧客、製品開発を管理したのかを。

Q. 今のところ、お気に入りのポッドキャストは?

A. マーク・ザッカーバーグの回ですね。フェイスブックの社内文化を「すばやく動いて壊せ」から「安定したインフラを築きながら、すばやく動け」に変えたことについて聞いたところ、彼は私を見て「何も変わっていませんよ。組織が大きくなってインフラを壊してしまうと、かえって動きが遅くなってしまいますから。スピードダウンにつながるから、インフラを作り直すのは避けたいわけです」と話したのです。「へえ、思っていた以上にザックは賢いな」と思いましたね。

Q. 「ネットワーク効果」で急激に成長する会社に数多く投資していますね。

A. シリコンバレーで生まれる事業の多くはネットワーク効果を内包しています。迅速に動かなくてはいけません。世界を変えたいのなら、スケール(拡大)する必要もあります。面白いのは、スピードとスケールを両立するには効率の悪さを受け入れなくてはいけない点です。これは伝統的なビジネス思考に反します。

Q. もう少し詳しく説明してください。

A. ビジネススクールでは「効率」に意識を向けるよう教わります。そこへ「ブリッツ・スケーリング」で大事なのは、顧客への迅速な対応と顧客ベースの成長だけ。効率については後で考えればいいのです。

Q. しかし、恐ろしいくらいに成長しているとき、どうすれば顧客満足度を維持できるのでしょうか。

A. 従来の顧客サービスは、「いつも顧客に愛されなさい」と教わったものです。「ブリッツ・スケーリング」を実践する企業は違います。彼らは「eメールを使った顧客サービスだけにしよう。電話の顧客サービスは不要。eメールの顧客サービスの方が早く成長できる」と考えるのです。

Q. 「ブリッツ・スケーリング」は伝統的な企業や規制のある業界でも機能するのでしょうか。

A. そう思いますよ。Uberの属する運輸業界が一例ですね。Airbnbの宿泊業界もそうです。規制のある業界に進出することは何も新しいことではありません。私自身、金融業界に挑んだペイパルを立ち上げています。

Q. 「ブリッツ・スケーリング」を実践した企業の創業者はどんな企業文化を築いたのでしょうか。

A. 皆、「シンプルでわかりやすい行動規範があって初めて優れた企業文化が醸成される」と言いますね。“スピード”というのはつまり、いつも会社の在りかたを変えて適応する必要があるということ。規則に縛られていてはそんなことは不可能ですから。

interview by Rich Karlgaard photograph by David Yellen

記事が気に入ったら
いいね!しよう

LIKE @Forbesjapan

Forbesjapanを
フォローしよう

FOLLOW @Forbesjapan

あなたにおすすめ

合わせて読みたい