1月30日、ソウル市中央区では、「第4次産業革命─ロボット・ソフィアに聞く」というイベントが開催された。主催したのは、韓国知能情報産業協会と民主党所属パク・ヨンソン議員らだ。
メインカラーが黄色の華やかなチマチョゴリをまとったソフィアは、「アンニョンハセヨ(こんにちは)」と、会場に向け韓国語で挨拶。その後、「韓国にきて、いろいろな場所に行き、素晴らしい方々と会った」「機会があれば韓国語も学びたい。時間さえあれば、他の言語も学ぶことができるだろう」とコメントした。
またソフィアは、朴槿恵前大統領らを弾劾した市民デモ「キャンドル集会」にも言及。「多くの韓国人が民主主義を実現するためにデモを行ったと聞いている(中略)その結果にお祝いを送る」とした。そして「文在寅大統領を知っている(中略)パワフルで明確な優れたリーダーだ。会ってみたい」と感想を述べた。
イベントを主催したパク・ヨンソン議員が「チマチョゴリがよく似合うようだ。私と比較してどちらがきれいか」と質問すると「感謝する。チマチョゴリが気に入っている。ロボットは、人間について誰が一番きれいかという話をすべきではないと考えている。人間は比較対象になってはならないからだ」と発言し、会場から称賛と拍手を浴びた。
ソフィアは、ロボットメーカー・ハンソンロボティクスの創設者デビッド・ハンソン博士らによって開発されたAIヒューマノイドロボット。その顔は、女優のオードリー・ヘップバーンと、ハンソン博士の妻の顔をベースに作られている。ディープラーニング技術が搭載されており、人間とアイコンタクトを通じたコミュニケーションを取る機能や、人間の表情を検出し約60種類の表情で対応する機能を併せ持っている。
2016年3月には、CNBCの番組で「私は人類を破滅させる(I will destroy humans)」と話し、世界から大きな注目を浴びた。その後、2017年10月にはサウジアラビアで市民権を取得した。
同月、国連本部で開催された会議に招かれた際には、「AIを活用すれば、エネルギーや食糧などを全世界に効率的に配分することをサポートできるだろう」「人間とロボットはそれぞれに技術を持ち、職場で一緒に働くことができる」「ロボットは人間よりも倫理的であるだろうし、嫉妬や怒りのような感情なしに働くことができる」など、人類と技術の未来について発言している。
一方、ソフィアを開発したハンソン博士は、メディア取材に対して「ソフィアにはまだ『意識(consciousness)』がない。数年以内に意識を持ったAIロボットが登場するだろう」と未来を予測している。
ちなみに平昌五輪の聖火リレーでは、韓国の名門理系大学KAISTが開発したロボットが走者として抜擢され、無事にその役割を終えている。現段階では、まだ見世物の域を出ないかもしれないが、数年もすれば国際舞台や会議の場で活躍するAIロボットをみかけることが増えていくかもしれない。